701

幕末読書感想文:1巻目:前編

by
伏龍殿の覇者
伏龍殿の覇者
1.はじめに
ざっくりジョークが入った文章が混ざっているので誤解を招きかねない表現がありますが、そうでもしないと面白味が無いので気になった点を羅列していきます。
何となく長くなりそうだったので、一度自分で前に書いた記事の所くらいまでで区切ります。
https://taisengumi.jp/posts/158432

2.メモ
本を読んで気になった箇所と、気になった箇所について別途調べた点を以下に記載します。

・高杉晋作の父、小忠太と長井隼人(雅楽)は5歳しか違わない

・坂本龍馬は思ったより武闘派で無一文で江戸から出発し、途中道場で謝金を巻き上げながら帰ったらしい

・高杉晋作は19まで撃剣ばっかやってたけど勉強しなきゃなぁと言い出すくらいは剣術っ子

・松陰先生は外国船に密航失敗している時に2年獄に繋がれていたが、その間に600冊以上も本を読んでいる

・久坂が松陰先生ガチ恋勢かと思っていたら松陰先生が久坂ガチ恋勢だった疑惑が出てきた

・久坂松陰のつながりは、松下村塾がスタート地点ではなくて、久坂がその時あったこともない獄中の松陰先生に手紙を送った所から始まっている。

・送った手紙の内容は17歳にして攘夷ガチ勢で、数度やり取りした後、北条時宗だって元寇の使者斬ったんだから斬っちゃえばいいじゃん!と久坂くんが言い出したのでじゃあもう君が斬っちゃいなよ…と松陰先生が最期の手段を切ったので久坂くんが大人しくなる

・久坂は初期の頃の松下村塾には行ってない

・松陰先生は剣術少年高杉くんのことを「いやーお前は学がなってない、久坂くんはすげーのになー」みたいなクソテンプレ煽りをかました結果、高杉くんが猛勉強してはぐれメタル狩った時くらいレベルが上がる

・久坂くんは医家系なので、松陰先生も高杉くんも読めないオランダ本が読める

・松陰先生が久坂くんをどうしても欲しがって妹と結婚させようとするが一回顔がちょっと…と断られる

・最終的には久坂くんと杉文ちゃん(松陰先生は元は貧乏浪人の家系杉家の人で、養子として軍学家の吉田家に入っている)が結婚したので松下村塾入りしてくれる、が結構すぐに江戸の医術留学が決まって久坂くんは旅に出てしまう、次に帰ってきた時には既に松陰先生が安政の大獄後なので久坂in松下村塾は2,3か月らしい

・松下村塾は誰でも入れるイメージの塾らしい(それすら知らんかった)

・松下村塾が誰でも入れるというイメージは武士階級の下の人たち(足軽同心とかのクラスの)吉田稔麿とか入江九一とかが思ったより活躍したかららしい

・松下村塾の塾生は実際にはほぼほぼ武家だったっぽい

・坂本龍馬くんは良い事を言うならどんな人でも言う事を聞く良い子っぽい、ここら辺が劉邦チックというか旧来中国の人好かれする感じのある人柄で好まれたように感じる。

・ペリーと条約を結んだ時にやむを得ず勅許を貰わずに印を押した…という印象だったが、どうやら「Step1まぁ今までも幕府の方でこういう事は決めてたから俺らの方で決めて良いよな」「Step2でもこういうのって久しぶりだから一応勅許貰っとけば(幕府の反対派にも)文句言われねぇだろ」「Step3とりあえず関白に印貰う約束したからOKだろ」「Step4関白ですけどめちゃくちゃ公家に反対されたので一回印貰うのやめます」「Step5印がNGという事は陛下は攘夷を宣言されたという事!!!!!!!!!!」「Step6何となく印貰っといた方が良いと思ったらみんなめちゃくちゃキレだしたわ、草」みたいな感じだという事が分かってきた

・高杉めちゃくちゃ酒弱い

・安政の大獄は条約にうるさく反応した攘夷思想の人間に反応したものだと思ったが、メインは戊午の密勅(条約締結良くないから幕府の権力下げちゃおうよの手紙、幕府には内緒で回してね運動、クラス内いじめ)を降下(勅は大事なものなので物々しい言い方をする)した皇族公家大名…たちっぽい?

・聞くたびにボゴノミッチョクがロシア人のシステマとかを使う強化人間の名前に聞こえる

・松陰先生の安政の大獄の順番が想像よりヤバくて、「井伊直弼が怒り狂う→攘夷思想のやつを捕まえろ→長州渋々捕まえる→江戸に送っちゃう」ではなくて「井伊直弼暗殺運動があるらしい→松陰先生『良いじゃん!藩!火薬と武器ください!』→長州藩『ええ…(ドン引き)とりあえず牢入れといて…』→松下村塾『先生…流石に…』→松陰先生『井伊直弼暗殺に日和ってるやついる!?いねぇよなぁ!』→井伊直弼『やべぇやつ調べたい』→長州藩『送るしかないかぁ』→幕府『梅田ってやつ知ってる?知らなかったらまぁ釈放なんだけど…』→松陰先生『梅田は知らないけど老中間部を京都で詰問する計画は立てた!』→幕府『ええ……?捕まえとく…?』」の流れっぽい

・実際松陰先生は捕まったあとも先生自体が極刑とは思ってないが途中から風向きが変わって死んだっぽい、井伊直弼が流刑から死罪に変えたみたいな話は有名(なのか創作なのか知らんけど)だよね

・死して不朽の見込みあらば…って手紙に書いてる時もまだ死なないとは思ってるけど~のタイミングで書いたようなのであんなに試合開幕で深刻そうにイケボ出さなくてもいい

・流れを考えると久坂が長州藩とか長井雅楽にバチギレしたのは後付けのような気もする(怒りのぶつけどころを探したともいう)
⇒もう少し読み進めたら後付けというか権威付け的な印象がある。ただそうなると暗殺計画を実行しようとしたみたいなエピソードはどうなるんだろう?藩に訴えかけないと意味ないような気もする。

・高杉晋作の奥さんのマサさんは美人だったらしいが、老いてからしか写真が残っていないよう、惜しい、どこかに残っていたら見てみたい

・一方でおうのさんの写真はあるみたい、結構今の感覚で見てもキレイな人だと思う

・高杉くんはイケイケタイプなので時代は海軍となったら勉強したい!って言い出すけど秒でやめてる、理由は合わなかったかららしい、たしかに剣術小僧はちんたら船乗るの嫌そう

・高杉と対照で考えるとリョーマくんの人の良さが伝わる気がする、剣術はできるけど鉄砲とか船とか取り入れちゃう感じ

・高杉くんも剣術やりながら江戸から帰ろうとしたけど壬生で松本五郎兵衛さんに負けてからあんまり剣術のこと言わなくなった

・久坂が思ったより宗教指導者的な立ち位置で政治を勧めていく、理由としては久坂自体は医家なのでどうやっても攘夷的な面で国政を動かしていける立場の人間ではないのが理由なのだと思う

・段々わかってきたけど、高杉が落ち着いて見えるのは高杉がちゃんとした位の武家の人だからで、久坂(医家)、稔麿(下級武士)、桂(養子で武士に)らが攘夷思想が濃いイメージがあるのはあんまり直接的に藩に奉仕する立場ではなかったからのように感じる

・桂は兵学師範の立場の吉田松陰には兵学を教わっているが松下村塾では特に学んでいない

・島津久光の上洛以降で久坂は攘夷志士連中の中で強い力があることから、藩に取り上げられ、代償として逆に藩意識が高まることになる

・吉田東洋の暗殺以後土佐藩は、攘夷の名を借りた天誅を行っていく印象が強いがこれは薩長に比べて土佐が外様の中で三番手だから追い付こうとして過激な活動に傾倒したというのはなんとなく言われればそうかという気がしないでもない

・高杉くんは高杉晋助のせいで(+ほかの創作物でも三味線、芸子、酒のイメージがあったし)トンでも系の人間だと思っていたが、多分当代でも随一の真面目系だった

・リョーマくんはマジで何してるか分からないけど急に勝海舟を殺しに来て、丸め込まれてその後勝海舟の指示の元で操船・海運を学び…みたいな感じで、急に歴史にねじ込まれてくるキャラクターに神秘的な所を感じられる。良く言えばそうだけど、悪く言えば都市伝説でフリーメーソンとかにされる、かわいそう

・高杉くんが出家した後、周布さんから畳具足を送られる、成程!これが朱塗胴に違いあるまい!と手を叩いて見にいったが全然真っ黒だったし畳みたいにぼこんぼこんとしていて全然朱塗胴ではなかった。朱塗胴とはいったい……

・コレラは入ってきた後に、江戸幕末の病として流行ったのかと思っていたが、日米修好通
商条約のあとに流行ってから1年経たず秋ごろには収束している。コレラは汚染された水や食料を媒介にして感染するため、水瓶や柄杓なんかを介して使うことが多い夏ごろは多く、秋冬の頃になるとインドの気温とも大きく外れるし、水の調達も井戸からに変わったりするので徐々に減っていったことは想像に難くない。

・家茂が持ち帰ってきた攘夷決行の頃には久坂君は正式に結構上の位の武士になっている。

3.おわりに(続きに)
後編は続けて読み進めていますが、一応本のタイトルを書いておきます。
坂本龍馬と高杉晋作 「幕末志士」の実像と虚像 (朝日新書)
もし怒られたら本のタイトルは消すかもしれないね。
 
作成日時:2022/08/14 14:15
カテゴリ
日記
コメント( 0 )
コメントするにはログインが必要です
シェア