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秦伝 一章所感

by
桜井華奈
桜井華奈
コラボ中なので群雄伝をやるいつもの。
ネタバレは余裕でします。

感想まとめ:https://taisengumi.jp/posts/173935


今回の表テーマは大秦帝国の大黒柱建つまで。
そして裏テーマは何となく某アンパンの歌詞みたいに「何のために生まれて、何をして生きるのか」みたいなものを感じました。結構好き。

ちなみに主人公は普通に魏冄です。


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【物語】

最初に彼らの戦う理由みたいなものを羅列。各人や各民族の傾向は結構描写されていたと思うので。

・宣太后:強欲
・魏冄:羋八子
・白起:戦(殺戮とか)
・公孫喜:名誉
・一般兵(魏):生存
・趙:戦(ヴァルハラとかそういうアレ)
・義渠:抵抗、反抗

みたいな感じ。
この群雄伝の良かったところは、宣太后の理由がもう少し咀嚼されるところなのかなと思いました。


お話としては、函谷関の戦い~魏冄失脚まで(始まりが函谷関でいいのかは分からないけど。)

めちゃくちゃダイジェストで周滅亡~秦の現在まで話が進むので何となくの知識でも入れるのは好印象。
一方であまりにもダイジェストだったのでこれ春秋戦国は秦と劉邦以外作らない?とか思ってしまった。まあ孫武とかを全く触れていなかったからそっちはあるかもか。


話を戻して。
基本的に秦の視点での話の中、6話外伝が楽毅伝って感じだった。
あまり楽毅とか燕は分からないのでめっちゃ唐突感はあった。ただ、周りの状況って秦伝だけだと表現にも限界があるので、こういったアプローチもいいのかもって思った。


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【キャラクター】

宣太后と魏冄が良かった。

上で宣太后は強欲と書いたんですけど、話を進めるにつれて魅力が上がっていくようなデザインになっていた。二周するとニヤってできるタイプ。
なぜ強欲と書いたかは4話くらいで領土拡張戦争を続ける動機が「広い景色を見たらより広きを求めるのが人間」って返していて、これが宣太后の動機とするならば強欲(ないし王としての風格?)とするのが適しているのかなという感想。

じゃあなにが変わったのか。
結構伏線は撒かれていて、二話とかで魏冄に「王に近づくために鍛錬を行え、飯を食え」、鍛錬が不要になった後も「鍛錬はせずとも飯は食え」ってあって、これ一周目だとなんかよく分からないというか、まあ気のいいおばちゃんくらいにしか見えないですよね。

これが8話と8話外伝を見ると少し捉え方も変わった。
魏冄の生い立ちが庶子?っぽくて他の兄弟と比べぞんざいに扱われていたらしく、結構貧困だった描写がある。
ついでに8話で「広きを欲するために力を求める」って話をしていたけど、これも結局は魏冄のための行為に見えてくるんですよね。for魏冄。
つまるところ、宣太后の「何のため」は「魏冄のため」だと個人的に結論付けました。良いキャラ。


一方で魏冄。
魏冄はthe主人公してたのでまあ特に語ることもない気もする。なので宣太后と魏冄の関係値とかそういう話で。
魏冄、庶子らしいって話を上で書きましたが、この魏冄と宣太后の関係値好きなんですよね。島津4兄弟が好きなので。
ちなみに彼の行動原理はほぼ全部羋八子(宣太后)でした。宣太后ではなく羋八子という細かいニュアンス。まあ最終的には国のためって感じになっていったけど、それでも根底にあるのは姉って感じがしました。

あとは何となく魏冄ってそんなにすごい人ではなんじゃない?って思っていたので、主人公として格のある人物だとこの群雄伝を通して知れたのは良かったです。史記での評価も同じく高いらしい。


書くタイミングがないので白起のアレコレも少し。
白起は読んでいてもメアリー・スー感があって、まあでもそういう人物だからしょうがないのかなみたいになりながら読んでいた。
白起の戦う理由の変化は戦⇒勝利って変化していて、まあでも些細か。


あと張儀さんいいキャラですね。
調べたら普通におもしろい逸話もあったのでカード化しても良かったのにな~って思いました。


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【雑記】

春秋戦国、知らないことが多いので雑記もまた多い。まあ順に書いていく。

・一話で胡服騎射を見かけて珍しいみたいな反応をしていたんだけど、これがなんかよく分からないって思った。
当時戦車が流行だったのはなんとなく分かるけど、封神演義では「歩兵80=騎兵10=戦車1」って方程式があったので、殷周よりも後の時代である戦国時代なのにそんなに珍しいの?という感想にはなった。
時代ではなく地域としての秦的には胡服騎射のスタイルが珍しいって話なのかもしれないけど。というか封神演義をベースに置くなはもっとそう。

・義渠の人たちが貢物を貰ってたみたいな話があって、まあ創作物だし金銀財宝とかで濁すのかなって思ったら普通に女ァ!って言ってて笑った。
そうだよね。私たちは別にそんな配慮必要としてないからちゃんと書いてくれていて嬉しいよ。

・公孫喜(5話で出てきたモブおじいちゃん)、恰好を付けるために自虐的に「私の名誉が~」って話をしているのかと思ったら普通に利己的なキャラだったのは逆に面白かった。彼の末路は信念も考えるとこの群雄伝で1,2を争う無念さでしたね。対抗馬は芒卯

・8話で義渠の子を保護した描写があったので、劉淵みたいに誰かに繋がるのかな~って期待して調べたら普通にいなくて笑ってしまった。
なので、ここの考察をするなら、
①義渠王との間に二人の子をもうけていた。
②義渠王と関係値があったころにはもう出産は困難な年齢だった
って二つの言説が見受けられたので、この折衷案としての描写+魏冄を回想するための舞台装置になっていたのかなって思いました。

・孟嘗君が専諸+曹沫を侍らせていたけどなんでこの二人?って思ったのでちょっと調べた。​​​​
​​​⇒孫子の「諸劌之勇(しょかいのゆう)」という言葉の代表例らしい。意味は死地に送られた兵は必死に戦うというニュアンスなので、魏冄に対してここは死地だぞという心構えでもあるのかもしれない。 死兵が一番怖いので。



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【終わりに】

春秋戦国、秦が統一したらしいくらいの知識しかないので群雄伝の追加は素直に嬉しい。
一方で現在の群雄伝更新スピードとかから鑑みると上でも少し書いたとおり、全部の国を作らないのかもしれないって疑惑が少し怖い。
まあ粗製濫造されるよりは多少遅くとも出来を優先してほしい気持ちがあるのでとても難しい心情ではある。

いずれにせよちょっとした誤植程度ならまあ気にしないので検証等をきっちり行って「英傑の群雄伝読めば大体わかるよね」みたいな立ち位置になってくれたらうれしいなぁと思いました。



 
作成日時:2025/09/01 16:56
コメント( 2 )
佐伯
文士
文士
佐伯
16時間前

私も同じく、このスタンプキャンペーンの期間で秦伝を初プレイしてました
白起と胡傷の関係性も面白く味付けされていますね

桜井華奈
桜井華奈
11時間前

>佐伯さん
コメントどうもです。
白起は人造人間の様なキャラ付けだったので、親子として調理するのは方向性として私も好みでした!

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