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新・漫画の話#6 ツワモノガタリ

by
楊狐
文士
文士
楊狐
月に一度の漫画紹介!



自分ルール六条

一、英傑大戦の武将当人あるいは関連、所縁の人物が漫画作中に登場している。

英傑大戦に参戦しいる武将を題材にした作品を主に紹介していこうと思います。


二、漫画での主人公、協力者、敵役など。作中での役割は特に問わない。
ちょい役でも劇中に出ていればOKにしましょう(判定が緩い)


三、自分が実際に購入し作品を所有していること。
何処かで無料で読んだというのは無し。必ずきちんと購入して読んで行こうと思います。
すでに所有している作品紹介も兼ねていこうと考えていますので、過去に漫画紹介されている投稿者の方と内容が被るかもしれませんが、そのあたりはご容赦ください。


四、現在コラボされている作品はあえて扱わないこと。
公式ですでにコラボされているので割愛しようと思います。


五、月に一度、必ず投稿すること。
投稿するタイミングは月の何処でも良し。ただし、いかなる状況でも必ず投稿すること。
過去に挫折した年があったため。主に漫画のネタが切れたことが原因です。


六、英傑大戦の武将から著しく離れる作品は扱わないこと。
特殊枠は無しにしましょう。必ず武将が出てくる作品にすること。



今回の作品はこちら!






ツワモノガタリ

著:細川忠孝
監修:山村竜也
出版社:講談社
レーベル:
ヤンマガKCスペシャル 

あらすじ
新選組の隊士たちが、今まで戦った中で“最強の相手”について語り合う!
口火を切ったのは一番隊組頭「沖田総司」。
彼が語った最強の男は神道無念流「芹沢鴨」!!
天然理心流道場、神道無念流道場を何度も往復しながら現代に復元された「異流派剣術バトル」! 誰も見たことがない幕末剣戟漫画が幕を開ける!!


単行本背表紙より抜粋




作品紹介

今作は剣術や剣客の面から話を語る漫画という変わったもので、これまでに語られてきた新選組漫画とは少し毛色が違うようだと感じました。それまでの新選組漫画だと新撰組自体や、新選組の一人にスポットを当てた伝記、自叙伝のような話新選組と共に別の主人公視点での話などがありました。

冒頭。近藤勇、原田左之助、斎藤一、山南敬助、土方歳三と新選組の面々が食事をしているシーン。
そこから近藤勇の「誰が最強の剣客か」から始まり。各々が、これまで新選組が対峙し倒してきた最強と思われる剣客の話をするという構成となっています。
ここへ沖田総司が現れて一番手に語ることになるのですが、その最初が芹沢鴨と戦った話となります。
芹沢鴨。…すごい人なのかな?(オイ!)

英傑大戦での知識しかないので、これからいろいろと新選組の知識を仕入れて行こうかなとは思いました。
しかし、剣術の流派や構え、技の名前など。どういう状況下で、その技を振るったのかという場面と語りを同時に進めることができるのは漫画ならではだと思いました。
小説のように文字のみだと、どういう体勢で、どう動いたかというのも分からないですし、時代劇だと映像で動いているのはわかるものの早すぎて良くわからなかったりします。

流派や構え、技の解釈という点でも本作品ならではだと思いました。

※三国志大戦コミュニティ桃園より、自身の過去投稿(2022/05/14)を抜粋




感想
時が過ぎるものは早いもので、ツワモノガタリの作品紹介を桃園へ投稿してから約1年と5ヶ月……。
今月、そのツワモノガタリが完結しました。
第1巻の沖田総司VS芹沢鴨から最終刊の8巻。
画像にもある通り、表紙は近藤勇。お話も近藤勇VS桂小五郎を中心とした構成になっております。
購入にした時期も自分が英傑大戦を初めてまもなくの頃で、作品紹介にもあるとおり今ひとつ新撰組のことがわかりかねました。
それから時は過ぎ。
英傑大戦の影響もあり、関連する漫画を購入する中で新撰組のことが語られている漫画を読むうちに。
こういう一癖も二癖もある人物たちが集う組織だったのかと納得がいきました。
特に今作のツワモノガタリを読んでいると新撰組は剣客組織であるのですが、強者たちの集う「場所」という印象が強く。
物語にしても自分の戦った相手を語る形式が、また「粋」な話だったのではないかと思えます。

本来はこうした話を語り合う「刻」というのは、年輪を重ねた上で仲間で集まり、酒でも飲みながら……。
と言いたいところです。
しかしながら彼らには、その刻がありませんでした。
生きた時代は苛烈であり、歴史は無情でありました。
だからこそ最終巻を読み終えてからの第1話。
酒の席における「誰が最強の剣客か?」という近藤勇の台詞が際立ちます。
これに対して語り手の一番手として「芹沢さんですね」と答える沖田総司
作中、現在進行形で語られる第1話。
読み返してみると儚げな印象にも感じ取ることが出来ます。
それは物語が完結し、読み終えたからこそ抱ける感想なのかも知れません。

ツワモノガタリとうタイトル。
この語るではなくガタリと言うのも、改めてしっくりきた感があります。
剣客による自身が戦った剣客で誰が最強の剣客だったかという語り。
それぞれの剣客の対決では、彼ら自身が学んだ経緯である流派も描かれています。
この人物だからこそ、この流派にたどり着き、求めるものを学んだのだろうとわかる経緯が丁寧に描かれています。
誰が何を学びとり、誰と戦ったのか?
そして、その戦いの行方は?


余韻を楽しみながら、もう一度、第一話から読み返してみたいと思います。
気になる方はぜひ、手に取り強者の語りを楽しんでみてください。





それではまた新・漫画の話でお会いしましょう。

再見




©SEGA

©細川忠孝・山村竜也
©講談社

©ヤンマガKCスペシャル 
更新日時:2023/10/19 20:33
(作成日時:2023/10/19 16:57)
コメント( 4 )
4件のコメントを全て表示する
楊狐
文士
文士
楊狐
2023年10月19日 22時19分

Chaosさんコメントありがとうございます。
これまでにない切り口のテーマで物語が語られ、新選組初心者の自分でも非常にわかりやすかったです。
具体的に流派の内容も丁寧に説明、描写されているので、名前だけは聞いたことがあってもどんな剣術なのかが漫画でよくわかりました。
漫画作品なので当たり前なのですが(笑) 視覚情報力が多いことは理解度を高めてくれます。
英傑大戦だと芹沢鴨は無頼漢なイメージもありましたが、漫画だと描き方がまた違い。
また違う魅力を感じました。彼を好きな方が多い理由もわかりますな。
強いです🐘

Chaos
fungus_chin
fungus_chin
2023年10月21日 5時4分

源三郎さんは出てくるのか…読んでいて気になりました
最古参だもの…あんなにスゴイ剣を持っているのだもの…
きっと恐ろしい相手とやり合っているに違いありませぬ(願望

楊狐
楊狐
文士
文士
楊狐
2023年10月21日 13時10分

fungus_chinさんコメントありがとうございます。
井上源三郎も出てきます! 道場で土方歳三と稽古しております。
それ以上は、読んでからのお楽しみと言うことに……しておいてください(おいおい)

fungus_chin
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