ギィィン、ギィィン、ギィィィン・・・
「オラァァァァァ!!
「ハッハッハ!遅い遅い!そら、これならどうだ!
ズガァァァァァン!!
「ぐああああああ!!!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「これで俺の連勝だな!やれやれ、強すぎるのも困りもんだぜ!
「・・・くっそぉ、なんで俺ぁテメェに勝てないんだよ!
槍の腕と力なら織田の中でも一の武将のはずなのに・・・!
「腕と力だけなら、だと?そんなもんこの張飛様に向かってよく言えたもんだな!
第一お前の槍は直線的すぎて、避けるのも簡単だったぜ!
「・・・・・・・・
「ま!仮に俺に当たった所でかすり傷一つ付かねぇだろうがな!
槍が飛んできた瞬間に掴んで、そのままへし折ってやるぜ!
「・・・随分と大口叩くじゃねぇか。
ならこれはどうだ!?
ビュン!
「!
「流石にこの一撃だけは想定してなかったろ!お前の言う通り、避けるか掴んでへし折ってみせ・・・
ガッシィ!!
「なっ・・・うぉぉぉぉ!!?
「うおらぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!
ブンブンブンブン・・・
ズガシャァァァァァァン!!!
「がっ・・・ぐ・・・
「はっはっは!!甘い甘い!奇襲の技術だけは褒めてやるが、力不足よ!
「うぅぐ、畜生・・・片手間で俺の奇襲を返しやがって・・・
おまけに本当に槍をへし折ってやがる・・・
「おっと、わりぃな!だが自業自得って奴だぜ!
「・・・悔しいが、本当に強ぇな、あんた。
なぁ教えてくれよ、あんた何をやってそこまで強くなったんだ?
「何をやって、か・・・そういう問いはこれまで何人から聞かれたか分からねぇな。
だがそいつに対する答えは決まってんだよ。「俺にも分からねぇ」だ。
「・・・分からねぇで済ませる強さじゃねぇだろ!
ほんとにそれが答えなのか!?それだったらあんた、理不尽もいい所じゃねぇか!
「はっはっは、だが強いて挙げるなら一つあるな!
「兄者のため」・・・というのが一つかもしれん!
「兄者?・・・玄徳公と雲長公の事か?
「おうともよ。俺は兄者と出会うまでは夢も何もないただのならず者だったからな!
ずーっと空虚なまま戦いに明け暮れて、どっかで野垂れ死にしてもおかしくなかったぜ。
「あんたほどの男がならず者か・・・その時代ってのは余程修羅の世界だったんだな。
「ところがだ、兄者たちと出会ってから俺の人生はパーっと明るくなった!
世の為、人の為に戦う兄者を見て、初めて人に惚れ込んだのさ!
「そこまでなのか?玄徳公ってのは・・・俺は出会った事がねぇから、大抵
そういう事を言う奴は詐欺師かただの夢想家だと思うんだがな。
「はっは、時代が変わると人の考える事もそうなるのかね!
とにかく、それから俺は兄者のために命を尽くして戦い始めたのさ。
「兄者が行く所は俺たちが命を賭けて作る場所だっていう事を胸に刻んでな。
そうして戦う事で、俺は兄者が見る夢の果てを見たかったんだ!
「夢の果て・・・か。
「ま、それは叶わなかったみてぇだけどな。
はっはっは、本当に残念だぜ!
「・・・そうか。あんたはそこまで男に命賭けてたから、強くなれたのか。
夢を見るために、自分の全てを賭けてまでも見たい場所があるから・・・
「おぉ、その通りよ。あんたにもあるんじゃないか?
命賭けて守りたい人ってのがよ!
「・・・俺が、守りたい人・・・
(そうだ・・・俺には、いたじゃねぇか。何をしてでも守りたい人が・・・!)
「・・・・・・まつ!
「おっ、やっぱいるじゃねぇか!そうだよ、それが本当の強さになるんだぜ?
「・・・ハハ、あぁそうだな。なんでこんな簡単な事に気が付かなかったんだろうな。
まつに、秀吉に、信長様・・・守りたい奴は、こんなに沢山居やがる!
「はっはっは!!すっかり目の色が元に戻りおって!
「ありがとな、張飛さんよ・・・あんたのおかげでようやく目が覚めたぜ。
・・・もう一勝負頼む!
「おうともよ!だがまだまだ俺に勝てるとは思わん事だなぁ!がーはっは!!
「上等だ!うおらぁぁぁぁぁぁ!!
「あの豪傑にできて、俺にできないなんて事はねぇ!
見てろよ、まつ!俺はお前に恥じない天下一の武将になってやるぜ!!
リクエストありがとうございます!
このふたりの関係性良いです🐘
まだ、まつを手に入れていないので夫婦揃えたいですな。
張飛「………」
夏侯月姫も手に入れます🐘
>>> 楊狐さん
コメントありがとうございます!
利家と張飛の力関係だったらこうだろうなと考えて書かせていただきました。