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大戦シリーズ格言 「おう、また明日な!」

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三宅前六品
三宅前六品



       「おう、また明日な!」




 元ネタは、2ちゃんねるの大戦スレ。2ちゃんねる内で大戦シリーズからの引退を表明しているレスへの返信として使う。




















 誰しも、いつかは大戦シリーズから引退する日が来ます。SNSでの引退表明を見かけることも、珍しくはないですね。

 SNSで上げている引退理由は人それぞれで、
「結婚して、子供ができたから大戦シリーズを引退します。」であるなら、嬉しくなる引退理由です。

 「子育てが落ち着いて、復帰したときは、また対戦しましょう。」と言いたくなります。





















 「ゲームセンターが潰れて、他に大戦シリーズを置いてあるゲームセンターが近くにないので、引退します。」であるなら悲しい気持ちになります。

 物価が上がり、電気代、人件費も上がっているのに、ゲームの値段は30年前から変わらず、1ゲーム100円です。利益が出ないので、ゲームセンターが潰れるのも仕方ないことだと思います。

 

















 上記のケースとは違い、引退の投稿に明確な理由がない場合があります。典型的なのは、2ちゃんねるの大戦スレ内での引退表明です。

 大抵の場合、長文、乱筆で不平不満、セガへの悪口を書き連ねたうえで、引退を表明していることが多いです。

 このような引退表明があったとき、2ちゃんねるの大戦スレ内では、「おう、また明日な!」と返信が複数つきます。





















 引退を決意したとき、一緒にゲーセンに通っているリアルの友達から誘いの連絡がくると困るので、ゲームを辞めることを伝えておくことは理解できます。

 しかし、2ちゃんねるは匿名掲示板です。そこで引退表明されても、こちらとしては誰が引退するのか分かりません。

 じゃあ、なぜ、匿名掲示板の2ちゃんねるで、わざわざ引退表明をしたのか、というと、ようするに「仕上がっている」だけなんですよね。
 



















 「仕上がる」とは、怒りで、興奮して冷静さを欠いている状態を指すスラングです。

 分かりやすい例を出すなら、ギャンブルで取り返すことができないぐらい負けているのに、怒りで冷静さを欠き、追加でお金を入れ続けている状態です。

 「仕上がる」をネットで調べてみたのですが、スラングとしての「仕上がる」が出てこなかったので、大戦プレイヤーから生まれた言葉かもしれませんね。

 


















 私は、結構、「仕上がる」タイプです。最後に負けた状態で帰るのが嫌なので、あと1回、勝ったらやめようと思ってゲームを続けます。

 勝って、すぐ帰れることもあるのですが、勝てなくて、連敗が続いたことから、仕上がって、さらに負けを積み重ねる悪循環に陥ることがあります。

 仕上がっているときは、大抵の場合疲れているうえ、頭に血が上っていて、冷静な判断ができてないので、続けても良い結果が出ないことは分かっているのに、なぜか連コインが止まりません。






















 さらに、夜遅くなると、強い相手との対戦が多くなるので、余計に勝てません。早く帰りたかったのに、仕上がってしまい、気がつけば閉店間近、周りには誰もいません。このようなとき、




 「閉店間際まで、ゲームやってるような頭のおかしいやつ、と対戦してられるか(怒)」とブチ切れて帰ります。


















 まあ、それでも私の若いころから比べると、今はずいぶんと落ち着いています。私の若いころの「仕上がり」は、それはそれは、酷いものでした。

 昔の大戦シリーズは、今と違い、通信環境が悪く、光回線もなかったので、ゲーム中に大きなラグが発生することは珍しくありませんでした。

 ゲーム画面では明らかに乱戦しているのですが、ゲーム内部では乱戦が外れている判定になっており、乱戦している槍兵に突撃したにもかかわらず、迎撃を受ける、という理不尽なことが、わりとありました。

 このようなとき、私はブチ切れて、大声でゲーム画面に向かって、ガチで怒鳴り散らしてました。






















 そして、仕上がり、連敗を重ねて、降格したときに、




「なんで金払って嫌な思いせな、あかんねん。
        こんなクソゲー、2度とするか!」




とブチ切れて、記録用のカードをその場でゴミ箱に叩き付け、家に帰ってから武将カードを押入れの奥に投げ入れ、私は大戦シリーズから引退しました。

 


















 それから、しばらくの間はゲーセンに行かないのですが、当時の私は、アーケードゲームの攻略雑誌を読むのが好きだったので、毎月買っていました。

 今でこそ、大戦シリーズのバージョンアップ情報はネットで流れますが、当時はパソコンの普及率がそこまで高くなかったため、バージョンアップ情報はゲームの攻略雑誌に載ってました。






















 引退したゲームの情報など読まなくてもよいのですが、私はゲームの攻略雑誌を隅々まで読むタイプだったので、一応、バージョンアップ情報も読むことにしました。

 すると、天啓のごとく、めちゃくちゃ強いデッキを思いついちゃうんです。我慢できず、押入れの奥から武将カードを取り出して、一生懸命デッキを組みます。

 「大戦シリーズはデッキを組んでいるときが1番楽しい。」という方もいるぐらいで、時間があっという間に過ぎていきます。

 「僕の考えた最強デッキ」が完成したら、いざ、ゲームセンターに出陣です。引退したときに君主カードを捨てているので、また、チュートリアルからやり直しです。



















 ただ、私は引退をしていましたが、もともと、経験者なので、チュートリアルが必要ない程度には、ゲームを理解しており、カード操作も、ひと通りできます。

 そのため、全国大戦で、マッチングした相手から「初心者狩り」と思われそうだったので、経験者であることが分かるように、名前の横に引退前の階級を入れることにしました。

 いざ、全国対戦をすると、こちらは経験者なので、当然、高い勝率がでます。

 しかし、対戦シリーズは、よくできたゲームで、違うデッキを使用してるにもかかわらず、引退前の階級辺りになると、やはり勝てなくなります。



















 そして、仕上がり、連敗を重ねて、降格したときに、




「なんで金払って嫌な思いせな、あかんねん。
        こんなクソゲー、2度とするか!」




とブチ切れて、記録用のカードをその場でゴミ箱に叩き付け、家に帰ってから武将カードを押入れの奥に投げ入れ、私は、再び大戦シリーズから引退しました。



















 引退してしばらくの間はゲーセンに行かないのですが、ゲーム雑誌で、バージョンアップ情報を見て、復帰し、そして、また仕上がって引退してます。

 したがって、私は君主カードを4回も作り直していることになります。君主名の「三宅前六品」の中にある「前六品」は、実のところ、最後に引退した階級なのです。

 3回引退し、5回目のチュートリアルを受けているときに、「チュートリアルを何回も受けるのが、だるいから連敗しても、君主カードは捨てない方が良い。」ということに、私は、ようやく気がつきます。





















 英傑大戦は歌舞伎ポイントがあるので、現状、勝率50%を維持できれば、準ランカークラスの「旅人」まで昇格できてしまいます。

 しかし、当然、そんな高い階級まで上がれるわけがなく、どこかで、勝てなくなります。大戦シリーズは勝率50%を切った階級が適正階級、と言われるゆえんです。

 連勝するときがあるなら、連敗することも当然ありますし、勝率50%を切った階級が適正階級なら、確率的に連勝するより、連敗する方が多くなるのは当たり前なんですよ。






















 現状、英傑大戦は降格がなく、実力以上に階級を上げてしまうと、全然勝てなくなるので、「仕上がり」やすい環境になってます。

 実力以上の階級になると、対戦していて、ハンドスキルに大きな差があることが分かり、そして、対戦相手が手加減してくれていることも分かってしまいます。

 実力差が大きいと、お互いにゲームを楽しめなくなるので、降格はあった方が良いと私は思います。自分より格下とマッチングさせてくれ、と言っているのではなく、降格した階級が適正な階級なのですよ。

 実力以上の階級に上がらないようにするには、昇格しないようプレイ回数を減らすことが、現状、対策になってしまってます。




















 
 さて、「仕上がっている人」の投稿があったとき、その投稿に対して、説教や説得、反論をしようとする人がいます。

 しかし、「仕上がってる」状態の人は、冷静さを欠いており、話を聞く体勢ができてないので、説教や説得、反論を試みても、上手くいくことはありません。

 むしろ、仕上がってる人に対して、火に油を注ぐことになりかねず、余計にこじれてしまう場合が多いです。




















 「仕上がってる人」に説教や説得、反論を試みて、余計にこじれてしまった事例は、皆さんもご存知の、ぽへさんが炎上したXの投稿です。

 ぽへさんが投稿した主張は、
「階級の低い者が攻略記事や環境についての記事を書くな。」という、どう考えてもおかしな主張です。



















 この投稿を受け、ぽへさんの理不尽な主張に対して、説教、説得、反論をした人がいました。

 しかし、それらの人に対して、「仕上がって」冷静さに欠けている、ぽへさんが、さらに理不尽な主張で反論したことにより、どんどん、おかしな方向に進んで行き、それが更なる炎上を生み出しました。
























 時が経ち、冷静になったぽへさんは、自分の投稿が流石にまずかったと反省し、後から言い訳の文章を書いてます。

 しかし、仕上がった状態でXに投稿した主張が無理のあるものだったので、突っ込みどころ満載の終始、苦しい言い訳になってしまいました。

 この事例から、「仕上がっている人」にマジレスしても、火に油を注ぐだけで、碌なことにならないことが理解できると思います。























 なお、ぽへさんの炎上したXの投稿が、「仕上がってる」人の書く典型的な文章です。





 「ぽへさんにマジレスしてた、お前ら、
      少しは文章を読む練習した方がいいぞ。」


























 私が「仕上がって」引退したとき、そのときはブチ切れて、本気で引退するつもりで君主カードを捨てています。しかし、すぐ復帰してるので、心の奥底では大戦シリーズを辞める気がなかったのでしょうね。
 

 昔から「大戦シリーズを本当に引退する人は、黙っていなくなる」と言われてます。

 SNSで、引退を表明されても、現実で付き合いのないプレイヤーのことなど、こちらからすると、どうでもいいことです。

 「仕上がって」いる本人は気がついていませんが、大戦シリーズに未練があるからこそ、わざわざ、SNSで、引退表明しているのですよ。




















 人間にとって、「仕上がり」はそれほど嫌な状態ではない、と私は思っています。本当に「仕上がり」が嫌な状態であるなら、仕上がる前にゲームを止めるはずです。

 しかし、実際には仕上がってもゲームを止めずに、お金を入れ続けているので、むしろ、脳内では「仕上がり」の状態を心地良いと感じている可能性すらあります。

 ギャンブルと同じで、大戦シリーズは、負けてるときほど熱くなります。多分、仕上がっている状態を含めて楽しめているのだと思います。





















 私は、大連敗してゲーセンから帰るとき、当分の間、ゲーセンには行かない、と誓うのですが、何日か経つと、またゲーセンに行きたくなります。

 引退宣言した人が、たいした時も経たぬ間に復帰している光景を、ゲーセンに長く通っている方なら、誰しも見たことがあるのではないでしょうか?

 どうでもいいことに、人間は仕上がったりしません。仕上がるのは本気でやってる証拠です。





















 某配信者の方は「仕上がっている人間を見るのが一番おもしろい。」と言っており、この主張には、私も一理あると思ってます。


 「仕上がった投稿」があった場合、冷静さを欠いている投稿者に対して、まともに相手をしても仕方がありません。


 「仕上がった投稿」を読んで笑ったならば、
「おう、また明日な!」と返信しとけば、それだけで充分です。



















 
 「おう、また明日な!」 は「仕上がった状態」の心理状況が理解できていることを、一言で伝えることができる格言です。

 私は、この格言が大好きで、この言い回しを考えた人はセンスがあるな、と常々、思っています。

 まあ、この格言を考えた人も、同じように「仕上がり」、同じように引退し、そして、復帰したからこそ、引退表明をしている人の気持ちが分かるのでしょう。

 私もこのような、センスの良い言葉を生み出したいものです。

























        それでは、お前ら・・・


































        「また、明日な!」






おしまい






 
更新日時:2025/01/28 18:57
(作成日時:2025/01/03 11:38)
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