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ほんとうに初心者向け:伍

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伏龍殿の覇者
伏龍殿の覇者
はじめに
当記事はほんとうに初心者向け記事の第伍弾……のつもりだったのですが、大戦の基本的に知ってほしいことはほとんど書いてしまったので、ここでは色んなデッキを使うタイプの筆者が個人的に様々なデッキで使えることや、大戦固有のユニークな要素について書いていこうと思います。
主観を含む要素になっているため「ふぅ~ん」くらいの気持ちで読む人は読んでください。

(兵法っつったらねのジャケ写される孫武)

1.最高の勝ち方を決めよう


上図はどちらも悪いデッキではありませんが、方針という意味では大きな差があります。

前者の「天下布武」のデッキは、基本的に「掛かれ柴田」と「天下布武」を同時に使用して落城を目指すのが最高です。
なんとなく英傑大戦の勝利条件は想像と異なりますが、落城を狙ってできるゲームかというと、実際にはそのようなデッキはあまり多くないように思います。
ほとんどのプレイヤーに落城勝利と点差による勝利の数を聞いたのなら、後者の方が多いのではないでしょうか?
そんな中で、このデッキは明確に落城を目指すことが出来るポテンシャルがあるデッキで、落城出来るならそんなにいいことはありません。変な言い方ですがゲームの途中で勝利が確定するのですから、そちらの方が良いでしょう。

後者の二つの「龍吟虎嘯」を使う上杉景勝、直江兼続のデッキは動きとしてはややフレキシブルです。二つの計略を織り交ぜて、両方を使ったり使わなかったり、速度を重視したり兵力を重視したりするこのデッキは展開に合わせて計略を使っていく必要があります。
後者に比べると、前者は試合の前から目指すべきゴールが決まっています。
「これをやったら勝ち」という条件が一つあるわけです。


逆に一般的な号令に立ち返ってみると、理想としては要所でメインとなる「孫子兵法」を打つだけ、というのが目標になります。程普を打ったら「孫子兵法」を打てる回数は減っています。仮に程普だけで守れるとしても「孫子兵法」を打てる総回数自体は恐らく減ってしまいます。(士気流派を選んでいる場合などを除きます)
2回攻城を貰ってしまったけれど程普を打って士気を安く抑えて~というのもその後のプランがしっかりしてなければ3回の内の1回で良かったんだよ、となってしまうわけですね。

そうやってリアルタイムで進行する英傑大戦では、その場での思考量が多くなるとノイズとしてプレイングに影響が出てしまいます。そのため、まずは士気回りのイメージを掴んでおきましょう。

1試合当たりで溜まる士気は約4cに1で99cで、数えると24と言われていますが、逆に言うと24貯まるのは96cの時点です。3cしかない計略ならそれでも良いですが、時を逸していると言って過言ではありません。実際に使えるのは22と考えておくのが良いでしょう。
その総士気約22がどのルートを辿るのが最善か、という話ですが、このどう使うか、という点についてはよく議論があります。ただその際に、どのようなシーンでどうなったら使うかも考えるのがオススメです。
基本的には攻めと守りが半々のターンになるように考えていきます。極端な話、掛かれ柴田を4回打って勝つ!というのは、やや無茶があるということですね。この「攻めと守りの検討」の中で、自分のデッキは攻めばっかりで守りが無いな?であったり、守る計略しかなくて攻城が出来ないデッキだから城塞流派にしようかな?という方針が副次的に決まっていくことになります。

また試合中には、予想よりどれだけ外れた守りをしてしまったか(士気を多く使ってしまった、カウンターを狙うハズなのに部隊が撤退してしまった)、予想よりどれだけ城が奪えたか・或いは奪えなかったかによって、試合の指標として有利か不利かの相対的な判断をその場ですることが出来ます。

余談ですが初心者の方を対象に記事を書く際にそこそこの数の動画を参考にさせていただきました。
上位のプレイヤーとの相違、という観点で見てよくあるものの中に「予定されていない計略」というものがあったように思います。
あるシーンを例として、試合中盤に低士気の号令で攻めた際に相手も同様の士気で受けましたが、受け手側の部隊が運悪く壊滅してしまいました。かなり良い状態で攻められましたが、相手は苦しい状況ですので、士気6の超絶強化計略で更に守りの士気を吐きます。それに対応して攻め手も超絶強化を重ねる…という場面がありました。
受け手側としては「打たなくては落城してしまうからしょうがない」という道理があります。ただ攻め手としてはぶつかり合った号令が切れて、超絶強化のみが残る頃です。
ここで逆転しなくては負け!というシーンでは正しいのでしょうが、この場面では偶然産まれた士気の差が詰まってしまっているように見えました。
ここの計略チョイスの難しさは「もし上手くいったらかなり勝ちに近付きそう」な所ですが、その判断は自分のランク帯でも難しいように感じます。
ただ一方で「予定通りに戻していれば」絶対に士気は得しています。
そのため筆者としては、ラッキーな展開には即時に判断するよりも、如何に有利な状態で元の路線に戻せるか、を意識した方がいいように考えています。

2.集中と拡散
英傑大戦の計略には、それぞれの特性として「集まっていた方が強いもの」「広がっていた方が強いもの」に分けられると考えています。

例えば強力なダメージ計略である「赤壁の大火」を前にして、武将を固めて動かしていると複数の武将が大きなダメージを受けてしまうことでしょう。これは「相手が集まっていた方が強く」「相手を拡散させる」特性を持つと考えます。


そして「常闇の奇襲」を持つ風魔小太郎は、忍の特技を持ち、相手から見え辛い武将です。
突撃する度に武力が上がってしまう風魔小太郎を前にして10回も突撃されてしまえば、武力は20を容易に超えてしまいます。
そうなると対応者は弓を槍の方に寄せて、馬もおっかなびっくりといった体で、前進せざるを得ません。これは「相手が広がっていた(槍が離れた)方が強く」「相手を集中させる」特性を持つと考えられます。

ではこの武将たちが同じデッキにはいっていたらどうでしょうか?
あなたのデッキでは「赤壁の大火」で焼かれても大丈夫な知力があり、全員固めて号令で攻めに行くでしょうか?それとも低知力のため「常闇の奇襲」を使われる度に槍を向けながら進むことになるでしょうか?
これは一例ですが、組み合わせとしては「妨害と超絶」は補完関係にあるものが多いです。
この「位置などによってカードの効果が相互的に最大化する」ような関係は、他の(リアルタイム)ゲームではなかなか見ない要素のように感じています。
気になるデッキが強い理由を考えた時に、このような補完要素がどこかにあるかもしれません。

3.レンジの強さ
英傑大戦の計略にはそれぞれの最も強い位置、距離、状態があるように思います。


同コスト帯の超絶強化を持つ剣豪ですが(あくまで相対的に見て)ドリフターズの土方歳三の計略は使用率が低いと感じています。
これを筆者として、言い方は色々ありますが「計略のレンジ」あるいは「賞味期限」のように評しています。

左図では相手の部隊が、城に既に接着しています。
その際に沖田総司は「三段突き」を使用することで1部隊、位置取りが良ければ2部隊にかなりのダメージを与えることが出来ます。
また沖田総司は武力上昇が7と大きく、アクションができないように距離を詰められたとしても「三本の矢」を受けた高杉晋助とも十分に乱戦することが出来ます。

一方で土方歳三は「怨讐の武士」は通常の剣豪と異なり、図上の円形のように複数個所への斬撃範囲が発生することになります。
本体と接触している範囲は通常の斬撃ダメージ、自身の先にある円形には斬撃時に更に複数の円形がランダムに発生し、その1個1個の威力はとても小さいものです。
上左図で見れば、武田信繫には通常斬撃+複数斬撃が発生し大きいダメージが見込めます。しかし毛利元就には複数斬撃のうちの1つ程度しか当たらず、ダメージはとても少なくなります。また武力上昇値は4で接触されると、武田信繫と同等の武力にしかなりません。
この円形の位置調整における操作にも若干の癖があるため、その点でも沖田総司と比較して使われ辛い傾向があるように思います。

これだと土方歳三が使われない理由を書いただけのようですが右図を見てみましょう。
やや都合が良すぎる感じもありますが、大事なのは沖田総司との差で、沖田総司の計略は斬撃の範囲が広くなるわけでも自身の速度が上がるわけでもありません。
もしこの場面で計略を使ったのであれば、相手は素直に自城に引くか、「三本の矢」で速度を上げて散開し、沖田総司に当たらないように攻城を狙いに行くことでしょう。
そして土方歳三もこのシーンで別に相手を壊滅させることが出来るわけではありません。
ですが、相手がただ自城に引く権利もほとんどありません。もしこちらが先に計略を打って、撤退するならば追撃し(他の武将もいることを前提に)2部隊くらいは撃破が可能です。相手が三本の矢を先に打つのならこちらが引くこともできますし、こちらの計略に合わせて打ってきても、土方歳三の斬撃範囲の都合上、騎馬兵は土方歳三に寄り辛く最低限相手を斬撃しながら自城に戻って守城することが出来るでしょう。

この二つの違いは「何処で打つことが出来る(強い)か」「計略を先に打つことが出来る(強い)か」で、これを計略が持つ強いゾーン・距離として筆者は「計略のレンジ」と呼んでいます。
これは、暗黙的に近・中・遠距離に適した計略があり、使うべきタイミングはそれぞれ違う事を表しています。(※この距離、というのは離れていても戦えるという意味ではなく、ゾーンや長い時間の中から選択して使用することの比喩です。)
大別して
近距離:武力またはアクション威力が大きく上がり、速度も、範囲も、範囲の部分でアクション強化もされない。
中距離:武力がそこそこ上がり、速度・範囲・アクション等のいずれかが強化されている。
遠距離:武力が小さく上がり、速度・範囲・アクションの強化、或いは計略が長時間であり、先打ちすることが可能

終わりに
正直な話、前回で初心者向け記事としてはほとんど書き切っていました。
しかし「ここで終わり」と明示しなかったのが失策であることに後から気付きました。
でも何となく、後から「実はもう書くことってそんなにないんですよねフヘヘ」というのもちょっと変な感じがしたので「アーケードゲームという特異な形態のゲームが持つユニーク性」について書くことで、新しく英傑大戦をプレイされる方にアプローチしようと考えました。
ですが紹介した中で幾つかの要素は、例えば同セガゲームのワンダーランドウォーズのようなMOBAと呼ばれるジャンルの解説としても同じような事が言えるかもしれません。
熟考しても伝えたい事が出てこないということは、自分の中にもう伝えられることがないか、これ以上は中級者に向けた内容ということになるのでしょう。
自分の描いた記事の中のいくつかは、中級者に向けた記事もあります。もし前章までの記事の内容で納得した部分があれば、以降は他記事なども見て参考にしていただけると幸いです。

 
作成日時:2024/08/26 18:12
カテゴリ
初心者向け
コメント( 1 )
西条玉藻
西条玉藻
8月28日 12時34分

大変勉強になりますm(_ _)m
大戦シリーズ歴でいうと長いんですけど、ほぼ群雄伝プレイヤーなので、たまに全国をやっても、計略をうつタイミングとか間違えてるんだなぁと認識する投稿でした。
頻度は少ないままだとは思いますが、ぜひ参考にさせて頂きます٩(ˊᗜˋ*)و

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