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時代を超えた話を聞いてみよう② 毛利敬親&呂布

by
凡ゲーマー
凡ゲーマー
「ふぅーむ・・・
「・・・・・・・・
「ほぅほぅ、これはなんとも・・・
「・・・さっきから我の鎧をじろじろ見おって・・・貴様、何のつもりだ?
「ほっほっほ、いや何、流石はかの人中の呂布と呼ばれたお方だと思いましてな!
      やはり豪の者が着ておられる鎧は威厳に溢れております!
「ふん、当たり前だ。この世で我より強い者は存在しない。
「確かに、武で競うならばあなたは古今無双でしょうな。
      ですが・・・儂は国の主。それ以外の強さも知っております。
「国の主か、劉備や曹操もそうだったな。
     だが、民は常に強き者に従えばいい、そうは思わんか?
「あなたの時代で言うならば、確かにそれもひとつの理でしょう・・・
      ですが、それで民を従えるというのは、一つの”縄”なのですよ。
「どういう事だ、我は民を縛った覚えなどないぞ。
「己の武で民を従わせるのは、言う事を聞かぬ獣を縛り付けると同義・・・
      あなた以外の人間は何も動けず、ただ命令を聞くだけの存在となるのです。覚えはありませぬか?
「ふん、そんな事で我を貶めるつもりなら無駄だ。
     我は民の存在など考えた事もない。乱世にただ一つ、我の武があればよいのだ。
     それこそが、我が呂布たる証拠となるのだからな。
「なるほど・・・いや失礼しました。やはりあなたはお強い。
      ひとつの武の頂点に立っただけはある!
「が、しかし・・・儂はあなたのように武という物は持ち合わせておりません。
      それでも儂は、強いと言われるのですよ?
「・・・どういう事だ。
「敬親様!・・・あ、お話し中でしたか、失礼しました。
「ほっほ、なんじゃなんじゃ、遠慮なく言うてみぃ。
「は、はい!周布様から今度の貿易案を頂いたのですが・・・
「ほっほっほ、周布に伝えておけ、「そうせい」とな。
「分かりました!そのように伝えておきます!
「・・・なんださっきの対応は。貴様、仮にも一国の主だろう。
「ほっほっほ、いかにもそうですなぁ。
「敬親様ー!桂様が三日後に京へ行かれるそうですが・・・
「おぉ構わん、そうせいそうせい♪
「分かりましたー!
「・・・・・・・・・
「これで分かりましたかの?儂は昔から「そうせい侯」と呼ばれておりましてな・・・
「部下に対して、たったそれだけで済ませているのか?意味が分からぬ・・・
     それでは無能な輩に全てを投げているようなものではないか!
「ほっほっほ、この長州に無能者はおりませぬよ。
      ・・・もっとも、儂がそうかもしれませんがのぅ。
「・・・・・・そうか。
     貴様、部下からそこまで信頼されておるのか。
「儂に付き従う者はみな儂をよくしてくれます・・・
      これもひとつの”強さ”なのかもしれませんのぅ♪

END
作成日時:2022/05/10 21:26
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コメント( 2 )
安定のわらびもち
安定のわらびもち
2022年5月11日 8時19分

さっそくの力作ありがとうございます!

凡ゲーマー
凡ゲーマー
2022年5月11日 10時33分

>>> 安定のわらびもちさん
コメントありがとうございます!
時代ごとに変わる強さというものををテーマにして書いてみました。

安定のわらびもち
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