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ほんとうに初心者向け:肆

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伏龍殿の覇者
伏龍殿の覇者
はじめに
当記事はほんとうに初心者向け記事の第肆弾です。
当記事でも引き続き1~30万石辺りで、かつまだゲーム自体に自信の無い人を対象にしています。
本記事では階級が上がったり、将来的に操作が十分にできるようになった場合には極論だったり間違っている部分を含みます。操作に慣れたらより改善することをお勧めしますが、あ~そういう感じね、という気持ちでお読みください。

1.攻め方のバリエーションと考え方
英傑大戦では一般的に開幕と言われる時間が終了した後に、時間経過とともに士気が溜まって準備を万端にして~という流れで攻めるパターンは多くあります。ですが、一方である種の体系化された「定石」と言えるパターンも存在するように思います。
それらは過去の一時期に存在した(と言ってしまうとなんだかすごい昔の事のようですが…)アーケード雑誌やムック本では取り上げられたものの「英傑大戦」としてはほとんど公式に謳っていないため、将棋でいう「棒銀」や「四間飛車」のように共通的な定石の名前が存在していません。
これにより起こる問題は「なんかこの前73c辺りで城ゲージが4割しか残ってなくってさ」みたいな所から会話を始めて、何が起こってそうなってしまったかの言語化が難しい所ですね。
また配信動画を見ていても用語として分からない部分があり「何言ってっかわがんねぇよ…日ノ本言葉喋れよ…」となることもあるかと思います。
大戦組では用語集を作ってくださっている方もいらっしゃいますので並列で参照いただいた上で、今回はそれがどんなものであるかの一例を見ていただきたいと考えています。※今回用いた用語については、各個の呼び方もあると思いますが大体分かるかな…といったものを付けています

サンプルとして一部マッチング相手でよく見るデッキも一例としました。また、現在のバージョンの戦略としては取り辛く、現行バージョンであまり見ないデッキも選出していますがご了承ください。

(人のデッキを勝手に使って良いのかなと思っている毘沙門)
戦略の章
以下ではまず試合を決定付ける「戦略」についての解説をします。
これ等は、序盤・中盤・終盤のそれぞれの、どのタイミングで、どのように攻めるかによって、試合の様相を決定付けるものです。
「戦略」にはカウンターとなる「戦略」・「戦術」が存在するため、相手がこの「戦略」をとってくるのであれば、自分はこの「戦略」・「戦術」を取ろうというのを「事前にシミュレーションする」事が可能です。
まだ不慣れでここまで考えられない!というプレイヤーの方もいるかもしれませんが、これをやってみようという「戦略」の部分はゲーム外で行うことが出来る楽しい要素です。明日はこれで攻めてみようと考えるのも一興のように思います。

①武力型開幕乙

主には天羽々斬などの刀戦器を使って開幕に攻城を狙う、武力が高ければフレキシブルに使える戦略です。ワラVS4枚のデッキなど極端に武力の差がある場合には増援を選ぶ場合もあります。
開幕乙は一般的にリードを取って逃げ切りを狙う形となるため、武力が高い上に超絶強化を持っている武将(呂姫など)やダメージ計略を持っている武将(周瑜など)が入っていればより狙いやすい戦略と言えます。
戦闘で勝てることを前提としているため構成は武力に偏重しがちですが、武力だけが高い武将で狙おうとすると高知力の伏兵を擁する相手には捌かれてしまう危険性もあります。


②知力型開幕乙
伏兵を使って攻める戦略です。
伏兵は低コストでも高知力を持つことができるため枚数は多くなる傾向があります。
相手の知力によっては伏兵を「重ね」ることで、伏兵を2枚同時に当てて低知力でない武将も撤退を狙うことができます。
また扇ジャンルの戦器を使うことで伏兵の威力を高めることも可能です。総じて知力が高くなるため敵城に着地した時の攻城スピードは他の開幕乙よりも高くなるでしょう。
場合によって踏むか踏まないか、いそうな場所を避けて見えている武将の方をサッと倒してしまったり、柵を置いてその場所には近付かないことなど伏兵のあしらい方が重要です。


③低士気型開幕乙
低い士気でコストパフォーマンスに優れた計略を使って開幕にリードを取る戦略です。
①②よりも士気リソースまで使用する分の破壊力があります。
対応者は自分のデッキが城ゲージを捲れるタイプかどうかを判断し、後半に向けて捲る準備を整えるか、その場で計略や戦器を使って対処するかの決断を迫られます。
士気増加系の戦器を選んでくることが多いため、怪しいと思ったらこちらは天羽々斬等の強力な付加効果を持った戦器を選んでおくことで計略との差は埋まるかもしれません。


④即6
士気が溜まっていない状態からラインを上げ始め、目標の士気ピッタリで着地して主に士気6の号令計略等を打つ戦略です。
早めに引いて体制を整えてから急襲するため、受け手側は気付いていないと大ダメージになってしまうことがあります。
また攻める側の士気に対して、受ける側が使用するメイン計略の士気が足りないケースがあり、その場合は計略無しで受け止めなくてはいけなかったり、使いたくない計略で受けるケースが発生します。相手が不自然に早く城に下がったら、こちらも受け止める準備に切り替えたほうが良いかもしれません。
また士気5や7の最速を狙う場合もありますが、士気5だと計略を使わずに我慢できる許容範囲であったり、士気7だと甘く受けても受け手の計略の士気が足りていて通常の戦闘にと変わらないケースが多いように感じます。後者の場合は、受け手側が伏兵を大事な武将で踏んだり、迎撃により騎馬が撤退するような致命的なミスがあった場合に多少無理にでも乗り込むような展開を作ることができます。


⑤即渾身
④の延長線上の戦略です。士気の調整が難しいとされる「渾身」ジャンルの計略をピッタリに調整してぶつけに行きます。
ただの即6戦略よりも破壊力が大きい一方で、タイミングはより限定され、目的も分かりやすくなります。
受け手側は受けそこねた時のダメージがとても大きいため、メイン計略の士気が足りない時は、先んじてサブ計略で受け止めにいくなど一考が必要になります。

 
⑥フルコンボ
2つ以上の計略を合わせて大きな火力を出し、受け手が受け切れない破壊力で部隊や攻城を狙う戦略です。
ライン上げ用の計略に大きく武力が上がる計略を合わせたり、知力上昇や攻城力アップを組み合わせることで瞬間的な攻城力を得たり多種多様な組み合わせが考えられます。
英傑大戦で1試合に使える士気は大よそ24程度であり、一般的に士気10以上使うフルコンボ戦略は相手が士気を使って攻めたターンに軽い士気で守ったり或いは全く士気を使わないなどで相手との「士気差をつける」必要があり、大きなリターンを得るためのリスクも伴います。
今自分が決めているコンボが攻城に適したものか、部隊を撃破するものかはある程度想定している必要があり、方向性を間違うと落城できないのに無理に居座った形になったり、落城できそうだったのに貼り付けていた鉄砲でアクションしてしまったり動きがちぐはぐになってしまいます。

またバリエーションとして「長時間計略」を使用するものもあります。これは効果こそ通常の計略と比較して小さいものの、20c〜30c、長いものではゲームが終わるまで効果が続くものもあります。代表的なものは曹操の「魏武の大号令」ですが、劉備の「義兄弟の誓い」と比較すると、武力上昇10に対して3しか上がりません。ですが効果時間は約7cに対して40cと5倍以上です。
このように時間が長い計略を、守城や士気が溢れている時のケアに使うことで実質的に士気を上限より多く使うことができます。

⑦赤青赤
フルコンボと同義的な部分もありますが、主に計略の効果時間が切れる前後に戦器を使用し、もう一度同じ計略を使う場合を指すことが多いように思います。(英傑大戦では同じ計略は効果が切れるまで再使用できないため、この赤(計略)青(戦器)赤(計略)の流れを取ります。違う計略を使うなら、別に段階を踏む制約はありません)
1回目の計略の後に効果が切れるまでの時間を戦場に滞在させる必要があるため、計略自体あるいは戦器に増援の要素を含む場合が多いです。
狙いとしては相手より士気・部隊・戦器の使用有無など明確にリソースで上回っている場合に狙うのが有効です。はじめのリソースに差があれば、2回目の計略でジリ貧となり受け切れず瓦解していくケースは非常に多いです。
受け手側は1回目の計略時に多少無理をしてでも部隊を落とすことを狙った方がいいでしょう。落としきれない部隊は兵力を回復して再度同じように1回目の計略を再現してしまうからです。


⑧ゲージ
「琥」軍が利用する琥煌ゲージを使った戦略です。
琥煌ゲージは他の色が持たない特殊なリソースの一つであり、琥煌ゲージがない状態の士気12の価値と、ゲージがある状態の士気12の価値は大きく異なります。
琥軍の専用である流派にもゲージを溜める効果があるため、必然的にゲージがある状況を作ることの出来る流派の貯まり具合によって士気の価値も変わります。
序盤のゲージも流派もない状態で全力を出して攻めても相対的に士気の価値は下がるため、出来るだけ時間をかけてゲームを停滞させることが出来れば、最終的に同じ士気しか有さなかったとしても有利な条件で攻めることが出来ます。
受け手側はゲーム序盤に攻めることで相手の弱い時間を狙うことが出来ますが、中途半端に攻めてしまうと士気も無く、流派をいたずらに溜めさせてしまった状態になることに留意が必要です。



戦術の章
以下では状況を左右する「戦術」についての解説をします。
これらは試合の中で発生するバリエーションであり、前章で紹介した「戦略」の途中で用いることも可能です。
紹介する上で、本来は「ワラ・バランスデッキ」と言われる、号令や集団戦闘を用いないデッキについての動きを説明しなければならない部分がありますが、前段の前段の前段を話していくと英傑大戦はキリの無い複雑な要素の組み合わせになってしまうため、次回の記事などで触れられれば触れようと思います。
原則的に以下は号令が「使われる側」の内容になっていることが多く、防衛手段的な意味での一読を推奨しています。


①端攻め
相手の進軍に対するカウンター的な戦術です。
全員揃っている相手に向けて1枚端に投げても受け止められてしまうだけなので、攻城を狙っているのか、投げた部隊に武将を引き付けて時間を稼ぎたいのか用途に合わせた用法で使う必要があります。
嫌われがちな戦略ですが、受け手側のデッキによってはそもそも受け止められなかったり刺さる形になってしまう事も多く、苦手に感じたなら立ち回り以上にデッキ自体の見直しが必要かもしれません。

投げ手側としても相手のデッキが(自身より枚数が少ない)4枚デッキであったり、端に投げた部隊の対処をしそうな騎馬が低コストになっているデッキの時には端攻めが機能しやすいため積極的に狙ってみてもいいと思います。
また受け手側は投げられている兵種及びコストと、自分が何をしに行っているかを天秤に掛ける必要があります。投げられた武将が最も攻城力が高い槍兵と見て、1コストからの0.5刻みで攻城力はおおよそ2,5,7,10%と増えていきます。
こちらが大きな攻城を狙えるチャンスであれば、仮に計略を使って15c攻めると仮定して、攻城の平均速度は約2cに一度、つまり端攻めの攻城は(辿り着くまでを減算して)2c×5回辺りとなり10〜25%辺りの攻城になります。それに対して50%の城ダメージを奪えたなら、無視して攻めたのも結果として成功していると言えます。しかし、投げられている武将が2〜2.5コストの攻城の場合は35〜50%の城ダメージとなり、こちらはせっかくコストを払って攻めに行ったのに収支がトントンで、攻めた意味は薄くなってしまうでしょう。
この計算は様々な要素によって変動します。例えば「予めもう受け手側の城が半分だった」のなら、5割取れればゲーム自体が終了するため、そこから受ける50%のダメージは無用の心配になりますし、また投げ手側としても25コストも投げてしまったら城自体が守れないことも考えられます。逆にもう「自分の城ゲージが心もとない」のであれば、そもそも端攻めを無視することは出来ないでしょう。
初めのうちは流動的に状況を判断するのは難しいため「絶対に処理する」か「このコストより下なら無視する」を試してみて、勝率に応じて対処を変えるのがおすすめです。


②両端攻め
敢えての立項が必要か怪しい所がありますが、ゲーム中最も盤面を広く使う戦術です。これは主体的に行動するため戦略に定義しても良い要素と言えるでしょう。
一般的には号令も余程広いものでなければ、戦場いっぱいに使っているつもりでも6~7割を使うのも難しくなります。しかしこの戦術は個々の武将を両端に投げてしまうので、文字通り右端から左端まで使うことになります。
内容としてはサンドリヨン等の自身を強化して攻城を狙う形と、ハンジ等の超絶強化で部隊撃破を狙う形があります。
相手が片方の攻城に対応している隙にもう一方で攻城しているという形が望ましく、片方の兵力だけが減ってしまう事がないよう両端に到着する部隊は同じタイミングで進軍するのが理想です。
受け手側はより手薄になっている一方をサッと倒せてしまうと、受けるのが楽になります。それは例えばマウント役が一方側の近くにいたり、両端の武将を比べた時に片方の武力が低い場合などです。


③居座り
高いラインで戦線を維持し、そのまま貼り付けない状態を維持する戦術を指します。
時間の残りリソースがもうあまりなく、攻められるタイミングは残り1回…しかし、士気や自分の攻城力が足りていないという時に、士気を溜めながら疲弊せずに争覇を奪う事で城ゲージの差を詰めることが出来ます。
弓や鉄砲が多数入ったデッキであれば、この状態を維持している相手に対して無理に仕掛けるのは難しく、安定してこの戦略を取ることが出来ます。
相手が有利な状態でやっても処理されてしまうだけなので、あくまで盤面の状態は勝っているものの城ゲージが足りていないという時に狙うのが肝要です。


④荒らし
部隊を撃破し戦況の遅延を目指す戦術です。
これは攻めてきた部隊を倒すというものではなく、相手の城まで行って攻城を大きな目的とせず、部隊の撃破を狙うという状態を指します。
当然ですが通常号令や陣形等の全体の武力が上がる計略は、部隊数が多ければ多いほど効果が増加するため、全部隊での進軍を目指します。対してこちらの攻めのタイミングで城ダメージではなく部隊の撃破を狙うことで、カウンターのタイミングで部隊が揃わずにもう一度こちらのライン上げのターンが来たり、効果量が少なくなる低部隊数で攻める状態を作らせます。
城ダメージ自体は前項で紹介した「端攻め」であったりを併用し「落城を狙う訳ではなく、相手より1%でも城ゲージが高い状態でゲームを終了する」のが目的になります。
この戦略は、ワラデッキやバランスデッキが取ることが多いですが、弓に多くのコストを割いた号令が行うマウントも弓を貼り付けない関係上部隊を狙う比率が高く、「荒らし」寄りになりがちです。


終わりに
今回の記事作成に当たって色々な分類検討をしました。やや分かりづらいものや、伝えるのが困難なものがあり上記の内容に絞っています。(大戦シリーズは長く続くもので、記載していないものにも戦略的バリエーションは非常に多く存在しています)
中でも「部隊位置操作」について立項を考えていましたが、これは現在英傑大戦では実施があまりに困難であることを考え、見送りました。
簡単に説明すると、移動速度を下げる「連環」系の計略や、武将を一定の方向に移動させる「挑発」計略に、知力を上げたり下げたりして効果時間を増やすことでゲームとしての対応を困難にし、その間に攻城や武将の撤退を狙うものです。
筆者も前の前の前の前の……バージョンで山南敬助と武田観柳斎を組み合わせた知力上昇+挑発のデッキで遊んでいたことがありましたが、挑発や連環計略は色々な修正を受けて現在主戦略として活用するものではなく「荒らし」や一時的な回避手段となっているように思います。
このように計略が出ては新しい戦術が増え、逆に修正によって見なくなるものもあります。
今回挙げたものは多くの場合普遍的なものです(中には「英傑」大戦特有のものもありますが)。稼働終了まで付き合うことになるように考えています。
更新日時:2024/08/15 23:58
(作成日時:2024/08/15 11:01)
カテゴリ
初心者向け
コメント( 1 )
べし
文士
文士
べし
8月15日 11時29分

とても分かりやすくて参考になります。
自分と相手のデッキはどのタイプが定石なのか?どれならやれそうか?などが分かってくると、"何だかよく分からないけどいつの間にか負けていた"という状況を減らせそうですね。

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