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初心者向け訴訟講座③「内容証明郵便とは?」

by
三宅前六品
三宅前六品


 今回は、内容証明郵便について説明します。



















 内容証明郵便は、中央郵便局から送ることができ、相手方に送ろうとしている内容証明郵便の写しを郵便局が保管します。

 また、内容証明郵便は書留郵便で送られるので、相手方に届いたことを郵便局が記録します。あわせて内容証明郵便の発着日も郵便局が記録します。

















 内容証明郵便は文章の書き方に決まりはありますが、文面には決まりがないので、自由に書くことができます。

 なお、内容証明郵便は書いてある内容が真実である必要はなく、真実であることを郵便局が保証をするものではありません。

 したがって、内容証明郵便に「百万兆円払てくだ才」のような文章を書き、郵便局員さんから、誤字脱字、数字の間違いの指摘を受けたとしても、これで問題ないことを伝えれば、そのまま相手方に郵送してもらえます。

 また、内容証明郵便は、法的拘束力を持つものではないので、書いてあることに従う必要はなく、無視しても罰則等はありません。

  

















    ようするに、内容証明郵便とは・・・























      ただの「手紙」です。(爆)






















 それでは、なんのために内容証明郵便を送るのでしょうか?

 まず、内容証明郵便は書留郵便で送られるので、相手方に届いたことが記録されます。したがって、訴訟になったとき、相手方は郵便を受け取ってないと、主張することができなくなります。

 また、郵便局が送られた内容証明郵便の写し保管するので、相手方は受け取った内容証明郵便と、こちらが出した内容証明郵便と文面が違うと、主張することこともできなくなります。

 さらに、内容証明郵便は発着日を郵便局が記録するので、手紙を受け取ったのは、その日ではないと、言い逃れができません。

 つまり、内容証明郵便とは、送った手紙の内容、相手方に到達したこと、発着日を証明することができる手紙です。

 

 


















 

 

   内容証明郵便で送った方が良いケース


















       訴訟を起こす場合


 訴訟を起こす場合、相手方に文章を送るときは、「言った、言わない」の争いになると面倒なので、全て内容証明郵便で出すことをおすすめします。

 また、内容証明郵便は裁判所に相手方に文章を送った証拠として提出することができます。


















       金銭の返済の催告



 相手に金銭の返済を求めることは、法律上の催告になります。催告には、時効を6ヶ月の間、止める効果があります。

 時効が成立すると、金銭の返済を求めることができなくなるので、時効成立前に内容証明郵便で催告をして、6か月以内に訴訟を起こせば、時効が成立しません。

 内容証明郵便は写しが保管され、日付が記録されるので、時効成立前に催告が行われたことを証明することができます。

















 

          債権譲渡


 債権は譲渡することができるのですが、二重譲渡があった場合、確定日付が入った証書で、債権を譲渡する旨の通知をして、先に届いた方に債権譲渡をしたものとされます。

 条文に確定日付の入った証書と書いてあるときは、基本的に内容証明郵便を指しているものと思ってかまいません。

 債権譲渡自体は口頭でもできますが、後から揉め事になると困るので、実務で債権譲渡が行われる場合、ほぼ内容証明郵便で行われていると思います。
















        クーリングオフ


 訪問販売、電話販売で商品を買う契約をした場合に、契約を一方的に解除できる制度のことをクーリングオフと呼びます。クーリングオフは契約から8日以内に行う必要があります。

 内容証明郵便は写しが保管され、日付が記録されるので、期間内にクーリングオフをしたことを証明することができます。
















          退職届



 退職届は2週間以上前に、会社に提出する必要があります。

 有給休暇は退職後に使用することができません。内容証明郵便で有給休暇を使用したうえで退職する旨を伝えてください。

 内容証明郵便は写しが保管され、日付が記録されるので、退職前に有給休暇を使用したことを証明することができます。















 内容証明郵便で送ったほうが良いケースは日付が重要になるときです。期限の定めがある場合には、後の争いを防ぐため、内容証明郵便で送ることをおすすめします。


 内容証明郵便は、ただの手紙に過ぎません。しかし、内容証明郵便を受け取った相手からすると、「訴訟を起こされるかも」と思う、心理的圧力は大きいです。

 訴訟を起こされると、対応が面倒なので、内容証明郵便を送ると大抵の場合の問題は解決します。
















 ちなみに私は、法律に基づき、内容証明郵便で、大戦組管理人、桃園管理人、及び代表取締役に11月20日までに解答するよう、期限を定めて質問状を送っています。


 まだ期限は来てませんが、まあ、返答はないでしょうね。


 なぜ返答がないかの考察は、初心者向け訴訟講座⑤「提訴前の予告通知」で行います。







 初心者向け訴訟講座④「内容証明郵便の書き方」に続く



 
更新日時:2023/11/15 17:33
(作成日時:2023/11/13 05:06)
カテゴリ
初心者向け
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