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100均だけで作る本格オリジナルデッキケース

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ettol
ettol
はい、どうもettol(えっとろ)です。

現在、英傑大戦ではプレゼントキャンペーンが開催されており、武将たちがデザインされたデッキケースや仕切り板がゲット出来ますね。
私も早速ですが、碧のデッキケースを交換してきました。

さて、公式のデッキケースももちろん良いのですが、自分の思い描くデザインやサイズで自由にデッキケースがつくれたらなぁと思った事はありませんか?

ネットで調べて見ると、最近は同人グッズ代行制作サービスなどで発注することも可能です。
ですが、最小ロットが100個からで13~5万円ほど費用が掛かります。
自分用1個のためにそこまでお金と余分な個数を手に入れるのはちょっと難がありますよね

また、自作の方法としても、100均で売られているラミネートフィルムを利用した方法が良く紹介されています。
これ、実際に作ってみたのですが、実用品として考えるにはちょっと厳しい・・・

公式デッキケースと同等とまでは行かずとも、もっと実用的な物は作れないか?

ということで私は前から、色々作ってみたいなと考えており、ここ最近はずっとデッキケースの試作に取り組んでいました。
そして、なんとかご紹介出来るぐらいには簡単な方法に落とし込めたと思いますので、制作方法をご紹介したいと思います。
しかも制作に必要なのは全て100均で揃えられます!コンビニの印刷だけで出来ます!

なお、このデッキケース制作にこちらのサイトを参考にさせて頂きましたので、ご紹介いたします。



①材料・道具
材料はSeriaで販売している「PPシート クリアライン」



PPとはポリプロピレンの略です。
ポリプロピレンは耐水性、加工性に優れ、非常にすぐれたヒンジ特性を持ちます。
ヒンジ特性とは同じ場所を何度も折り曲げしてもちぎれにくいという特徴であり、公式デッキケースもおそらくはポリプロピレン板で制作されてるはずです。
PPシート自体はダイソーでも販売されていますが、公式デッキケースの様なクリアラインはSeriaだけにしか売ってませんでした。
ダイソーの物でも制作自体は可能なので、厚み0.75mmの物を購入すると良いでしょう。

使用する道具は写真の通り

・ハサミ
・デザインナイフ
・定規(ステンレス)
・両面テープ(フィルム製、強力タイプ)
・マスキングテープ
・カッターマット(大きいと200円とか300円とかありますが、100円のサイズで十分です。)

どれも100均で簡単に入手可能です。
両面テープは幅が15mmと20mmの2種類ある場合が多いのですが
自分の欲しいデッキケースの幅サイズに合わせたものを購入すると後々楽だったりします。

また、今回は100均でも出来るということで、上記の道具だけでも制作可能ですが
可能であれば揃えたい道具もご紹介します。

右から
・デザインナイフ(OLFA製)
・プラスチックカッター(OLFA製)
・L型定規(Seria)
・自作定規(定規2本にゴムシートを張り付けたもの)
・樹脂ホック(Seria)
・マグネットテープorマグネットシート(ダイソー)

やはりOLFA製のカッターは使用感抜群です。
100均のデザインナイフで出来ない事はないのですが、400円ぐらいなので個人的にはお勧め。
また、プラスチックカッターも可能であれば欲しいところ・・・。同じく400円ぐらいなので購入をお勧めします。
L型定規も無ければ無いで何とかなったりしますが、あると時々嬉しい・・・(正確な90度が取りたい時は結構ある)
樹脂ホックやマグネットはデッキケースの蓋を抑える役割ですね。ここは他にもマジックテープを使用するのも良いでしょう。
お好みの方法をためしてみてください。


②デッキケースデザイン

まずは、デッキケースのデザインをしていきます。
まぁ、デザインのやり方は人それぞれで得意な方法が違うと思いますので、今回はあくまで自分の方法をご紹介という意味で。
最終的にはケースのイラストをA4サイズで出力出来れば、方法はなんでも良いです。

まず、自分の方法はデッキケースのサイズ・枠線をCADで制作します。
CADと聞くと身構える人もいそうですが・・・
安心してください、全部無料ですし、結構簡単に作れます。(多分)

使用するCADソフトは「JWCAD」これは無料で使用できるCADソフトです。
CADの操作説明を全部やりだすと、ちょっと長くなるので割愛します。
基本的には左上の直線ボタンを押して、画面上で始点をクリックして線を描きます。
画面上の「水平・垂直」にチェックをいれていると、上下左右まっすぐにしか線を引けなくなるので活用しましょう。
画面上中央の「寸法」に数字を入力すると、その長さ分だけの直線になります。単位はmmです。

今回はA4サイズで印刷したいので、横向きにデザインしてみました。

縦長のデザインにすると、どうしてもA4サイズを超えてしまいます。
超えて悪い事はないのですが、A3だとコンビニで光沢紙印刷が出来なかったり、持ち運びが不便だったりします。
印刷料金も高くなります。(ローソンだと普通紙カラーがA4:50円、A3:120円だったはず)
A3光沢紙に印刷したいという場合はキンコーズなどでセルフ印刷を行うのが良いでしょう。

設計が終わったら、これをPDF印刷します。(JWCADは画像出力が出来ないため)
このPDFをPNG形式などの画像データに変換します。(自分はPDF-XChangerというソフトを使用)
仮想プリンターで画像出力できる方はそれでも良いですし、このあたりはやり方なんでも良いです。

デッキケースの設計図が画像データで出力出来たら
これにイラスト等のデザインを入れていきます。

私が使用しているのはGIMPですが、この辺りも使ってるソフトがあればそれで問題ないでしょう。

画像を取り込んで、イラストが出る所をファジー選択して消去します。


この部分にイラストを自由に載せていくことになります。
今回は友人のnemoさんが過去描いて頂いた三国志大戦キャラクターを載せていきましょう。

※著作権には十分注意しましょう。今回は個人利用です。




上と下は組み立てた時に上下反転するので注意

これを再度PDF出力します。
注意としては画像出力ではなくPDF出力がおすすめです。
コンビニ印刷では画像印刷の場合、どうしても用紙の余白を多くとるため、想定したサイズになりません。
PDF印刷で、フチを無しの設定で印刷すると、想定サイズに近くなるでしょう。


印刷したのがこちら
普通紙に印刷しても、まぁまぁ綺麗ですね


まず余分な部分をカットします。
マスキングテープが貼れるぐらいの余白があれば十分です。


紙を裏にしてPP板に仮止めします。
この時、PP板がフラットな面に貼り付けます。(片方はライン加工が入っており、凸凹している)


表から見るとこんな感じ


丁度おさまる程度にPP板をハサミで切っていきます。
この辺りの切り方は結構適当でOK


一旦紙を取り外して、PP板のフラット面に両面テープを隙間なく張り付けていきます。


全面貼り終えました。



ここで、脇道にそれますが、イラストを両面テープでPP板に張り付ける方法は、実はあまりお勧めできません。
どう頑張っても両面テープのスキマが表から見えてしまうからです。
amazonなどで検索すると出てくる、両面粘着シートを使う方がより綺麗に仕上がります。
A4サイズが10枚で1500円程度と少々金額がかかりますが、綺麗に仕上げたい場合はこちらをお勧めします。


はみ出した両面テープをカットしていきます。
また、両面テープとPP板の間に気泡が入っている場合があるので、貼り付けされた面をPP板越しに見ながら
圧着していくとよいでしょう。
(最終的に紙を張り付けた後にも、圧着作業はあるので、ある程度簡易で構いません)

テープを切るとこんな感じ


次に印刷した紙を張り付けていきます。
綺麗に貼るために自分がやっている貼り付け方法はこんな感じです。

まず、紙をマスキングテープで固定します。
片方は固定せず、めくれるようにします。


めくった状態で、両面テープの保護シートを外していきます。
大体1/3ぐらいの面積を外してください。


マスキングテープで固定してある側から、ピンと伸ばすように張り付けていきます。
この場合左方向からゆっくり手で押さえつつ、紙をゆっくり下ろしていきます。
上手く貼り終えたらマスキングテープの固定は不要ですので、取り外します。


中央、左端と大体1/3ずつぐらいを目安に張り付けていきます。


貼り付け終わりました。


この時点では気泡や貼り付け不十分な箇所が多いので、裏側からしっかり押さえ付けて行きましょう。
色々やってみましたが、人間の指が一番ですかね。

頑張って押さえつける(紙を傷つけないように注意)


いよいよ、切り出しです。
やり方は主に1,定規とデザインナイフで切っていく。2,ハサミで切っていく。
の2パターンあると思います。
それぞれ特徴があり
・デザインナイフ
綺麗な切断面になり、定規も使っていることから直線が綺麗に出る。
一方で作業量が多くなるのと、切断作業の難易度がやや高い。力の入れ方を間違えるとイラスト部分にまでナイフが滑り失敗することも

・ハサミ
扱いやすく、作業時間も短く済む
ただし、長い直線を切ると、どうしても小さな歪みが出て来る。
可能であれば切断面が長いハサミがやりやすい(画像の水色ハサミ)

それぞれ好みの方法でやると良いでしょう。


デザインナイフで切断する場合は
フチの黒い線が僅かに見える所に定規を固定します。(マスキングテープなどで都度固定すると仕上がりが良くなります。)


デザインナイフはなるべく垂直になるよう持ちましょう。
斜めに持つとあらぬ方向に刃が進みやすくなり、綺麗に切断出来ません。
この辺りは余ったPP板で何度か練習する事をお勧めします。

悪い例


良い例


また、一度に全部切ろうとすると、強い力が必要となり失敗する確率が跳ね上がります。
まずは、ちいさな傷をつける感覚で丁寧に切れ込みを入れていきます。
最初は本当になぞるぐらいの感覚が良いです。
何度も同じ位置に切れ込みを入れていき、少しずつ力を入れていきます。
5~6回程度繰り返して切れるぐらいが理想的かもしれません。

切断作業はやり直しが効きませんので、少しの力で、丁寧に、ゆっくりを心がけましょう


上手に切れました~



ちなみに今回の定規はダイソーで購入したものですが、両面にメモリが入っているため
PP板の上であれこれ操作していると、板を傷つけてしまいます。
マスキングテープなどで保護しておくとよいでしょう。



今回はその他の部分をハサミで切断してみました。
どうしても細かい部分はデザインナイフで切断したので、それぞれ使い分けながら作業するのが良いでしょう。



とりあえずここまで来たら第一段階終了でしょう。
この後も神経を使う作業が多いので、一旦休憩などいかがでしょうか。

ホットコーヒーを飲むもよし、お勧めの配信を見るもよし

あ、配信と言えば、大戦シリーズでもお馴染み、ジョージ先生が結構な頻度で作業配信をされています。
商業用のイラストは配信されていませんが(当然)、最近は個人依頼のイラスト作業などを配信されています。
私もジョージ先生の配信を見ながらデッキケース作成作業を進めてたりしますので、お勧めですよ!
 


さて、作業に戻ります。
イラストの白い部分はイラストが表に出ない部分です。(底面は違いますが、今回は事情があって白にしています。)
このまま放置してもよいのですが、紙を残したままだと、最後にPP板同士を両面テープで固定する際に邪魔になります。

そのため、デザインナイフで軽くなぞるように切れ込みを入れ、剥がしていきます。
強く切り過ぎると、PP板本体を傷つけてしまうので注意
この作業も可能ならば何度か練習してみるのをお勧めします。(切り出した部分に紙とPP板が接着してある部分が残ってるはず)


ペリペリっと剥がしていきます。



さて、組み立て前に最後の作業です。

折り曲げ部分にプラスチックカッターで軽く溝を付けて行きます。


何もない状態でPP板を曲げると、思った箇所で綺麗に曲がってくれません。
軽く傷をつけることで、綺麗に折り曲げる事が可能です。
深く溝をつけ過ぎると、折った時に切れてしまうので、これも余ったPP板で練習をお勧めします。

プラスチックカッターは100均のアイテムでは無いのですが、この作業はかなり推奨します。
カッターやデザインナイフの刃でない部分で代用することも可能です。


(※本来は折り曲げる谷側に溝を付けるのが望ましいです。ただし、その場合は紙が干渉しないように、白面を切り出す時にわずかにイラスト側を切断したりと、微調整が必要になって来て難しくなります。今回は簡易的に説明するため、折り目の山側に溝を付けています。)


良い感じに溝が出来ました。
細かい削りカスが出てしまいますが、組み立て後に指やピンセットで取り除けば問題ありません。



いよいよ組み立てです。
接着する前に、折り目の部分は一度全て折ってしまいましょう。


折り曲げる前に、可能であれば折り曲げされる部分の紙をデザインナイフで軽く切って置くのが良いかもしれません。
折り曲げ方が下手だとこういう風に皺が出来てしまいます。



理想を言えば、各面のイラストは個別に切り離された状態で作成し、1枚ずつ貼っていくのが良いのですが・・・
そうすると、PP板からの切り出し手順が複雑になったり、微調整がもっともっと必要になったりと、手間がかかります。
もし、綺麗な逸品を求める方は手順をあれこれ試してみるのが良いでしょう。

さて、次に仮組です。
全面の下にある耳を底面に接するように曲げ、背面の横耳を差し込むように入れます。


良い感じですね
この時、力を入れなくとも形が保てるぐらいには折り目をしっかり入れておきましょう。


この時、微調整で画像の赤い部分は1mm程度切ってしまって構いません。
(むしろ切らないと上手くはまらない場合が多い)





PP板が合わさる側面と底面に両面テープを貼っていきます。
余分なところはハサミで切ってしまいましょう。


先に底面に貼り付けます。


内側に背面の耳を入れるのがやや難しいですが、ギュッ!とやればなんとかなる!
勢いが大事です!
​​​​


これでおおよそは完成ですが、両面テープは固着するまで少し時間が必要ですので
マスキングテープなどでぐるぐる巻きにして、一晩置いておくとよいでしょう。
また、蓋の留め具ですが、今回は磁石を選択。
全面下部にあらかじめ2枚の磁石テープを貼りつけておいて、そこに蓋部分を下すと、自然な位置で接着出来ます。


その他にも樹脂ホックの場合は、組み立てる前に全面部分に穴をあけておいて
組み立て後に樹脂フックを取り付けると良いでしょう。
穴はデザインナイフを突き刺して、グリグリ回すと丁度良い穴が開きます。

ということで完成です。










今回はデザインから作り方まで、あくまで一例を説明したにすぎません。

自分好みのサイズ
自分の好きなイラスト
自分のやりやすい作成手順

やり方は無限大です。

あなただけのオリジナルデッキケースを作ってみませんか?
結構楽しいですよ?




















































・・・・ん?
紙に印刷をするとどうしても印刷が綺麗にならないし、内側も汚くなってしまう?
粘着シートで張り付けても見た目が綺麗じゃない?



次回「印刷会社に突撃個人依頼編」
こうご期待!














 
更新日時:2024/11/02 22:54
(作成日時:2022/11/23 23:28)
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