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家紋の並び順の謎を解いてみる話

by
超♂兄貴
文士
文士
超♂兄貴
家紋をある程度の数ゲットしてる人は、もしかしたら疑問に思った事があるかもしれない家紋の並び順の話です

まず見てもらいたいのがこの家紋の1ページ目です
(一度に表示できる3行を1ページとしています)


色々な家紋が並んでますね
これが「どういう順番で並んでいるのか?」というのが疑問に思った事なのです

三つ葉葵、会津三葵、丸に立ち葵、赤鳥、五芒星
道満、井筒、真向き兎、唐団扇、羽団扇、繋ぎ馬
梅鉢、丸に梅鉢、亀甲に梅鉢、剣梅鉢、三つ鱗、北条鱗

同じような家紋の種類が一緒に並んでるのはすぐ分かりますね
上で言えば「葵」「団扇」「梅鉢」「鱗」関係はまとめて1つのカテゴリーと考えて良さそうです
そう考えると武将とかと同じで五十音順なのは分かるのですが、矛盾する家紋がいるのです

まず真向き兎は「兎(うさぎ)」、繋ぎ馬は「馬(うま)」と考えれば五十音順になります
しかし、その流れなら赤鳥は「鳥(とり)」と考えるべきですが、「あかどり」じゃないと五十音順になりません

調べてみると「赤鳥」は実は「垢取り」の当て字で、櫛の垢を取る女性の化粧道具の名称なのです
つまり家紋も櫛ではなくて櫛の垢を掃除する道具の方という事になります
※この家紋は鳥じゃなくて櫛みたいとは思ってたけど、櫛ですらなかった…
今川義元のご先祖様が「赤い鳥と共に戦うべし」とお告げを聞いたから家紋になったとかいう話のせいで「垢取り」とか思いつかんわ!

次に「五芒星(ごぼうせい)」と「道満(ドーマン)」ですが、陰陽師を知ってるならすぐに分かる安倍晴明と芦屋道満の家紋です

五芒星はセーマン、安倍桔梗紋、安倍晴明判とも言われます
※ドーマンセーマンで「レッツ陰陽師」を思い出す人も多いのでは?

道満(ドーマン)の方は「九字紋」とも呼ばれ、「臨・兵・闘・者・皆・陣・列・在・前」と唱えながら家紋の網目みたいなのを手で空に切る護身法があります
※密教とかだと九字を唱えながら手で印を組むのですが、平成初期頃には漫画の孔雀王の影響で当時の厨二病な少年達は「臨・兵・闘・者・皆・陣・列・在・前」とその印を覚えたものです
一部のナルト世代の人が忍術の印を覚えてるのと同じ感じかな
孔雀王の映画(実写版)はラスボス以外は当時としてはいい出来だったのだが…

この2つの家紋は「安倍晴明」カテゴリーとしての並びにされたと思われます

まとめると
葵、赤鳥、安倍晴明、井筒、兎、団扇、馬、梅、鱗
というカテゴリーの並びで五十音順になります


では2ページ目


ざっくりとカテゴリーをまとめると
鱗、烏帽子、扇、紙、沢瀉、木瓜、柿
(うろこ、えぼし、おうぎ、かみ、おもだか、もっこう、かき)
※沢瀉と木瓜は読めん…サワガタ・キウリじゃねーのかよ

まずは扇>紙>沢瀉の並びだと五十音順が合わなくなります
ここで「地紙」を調べると扇に貼る紙な事が分かったので、これも扇カテゴリーでした

次に木瓜(もっこう)は「きうり・きゅうり」読みかと一瞬思いましたが、次が柿(かき)だからどちらにしろ五十音順でアウトでした
調べてみるとこの図柄は唐の時代に使われた紋様の窠紋(かもん)に由来します
※「窠」は地上の鳥の巣の事でその形を紋様にしたのが窠紋。ちなみに「巣」は木の上の鳥の巣。

また、御簾(平安時代の公家の絵に出てくるすだれ)の上部につく絹織物の「帽額(もこう)」に窠紋があしらわれていて、帽額(もこう)の名にちなんで窠紋が木瓜(もっこう)と呼ばれるようになったようです

まとめると
鱗、烏帽子、扇、澤瀉、窠、柿
というカテゴリーの並びで五十音順になります

トータル12ページになるのでどこまで長くなるか分からないから残りは割愛します

後のページで家紋の並び順が五十音順じゃないと思ったら調べてみるとプレイ待ちの暇つぶしになるかもしれません
※これ以降はほとんど五十音順です

家紋の並び順の謎解きの話でした
 
更新日時:2022/05/30 09:35
(作成日時:2022/05/30 08:20)
コメント( 4 )
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超♂兄貴
文士
文士
超♂兄貴
2022年5月31日 0時55分

他の並びで分かりにくい所は「丸に十字」〜「誠」の所ですね
これを1つのカテゴリーにする力技が必要です

五所川原
五所川原
2022年6月4日 10時25分

白をコンプしましたが、欲しかった津軽為信家紋「卍」がありませんでした。
蜂須賀小六の「丸に卍」や吉田松陰の「五瓜に卍」も無くて、津軽や蜂須賀は実装されていないからは納得出来るけど、松陰は居るのになぁと。
何処かへの配慮なんでしょうかね?

超♂兄貴
超♂兄貴
文士
文士
超♂兄貴
2022年6月5日 3時9分

津軽為信の家紋は「杏葉牡丹」を採用されたのではないかと思います
卍は「旗印」としては間違いなく使われていたようですが、「家紋」だったかは微妙っぽいので(調べても家紋と書いてあるものと旗印としか書いてないものに分かれます)
まあ「杏葉牡丹」もどちらか言えば「津軽牡丹」の方がヒットしやすいですが、デザインとしてはほぼ同じだから「家紋」としてこちらが採用されたのではないかと予想します

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