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「栄光のバックホーム」

by
三宅前六品
三宅前六品


 私は野球が好きだ。もちろん観る方専門だが・・・。3月から始まるWBCが今から楽しみだ。東京ドームまで観に行きたいが、チケット15万円は高すぎる。

























 球場で野球を観るのも好きだ。岡山では年に数回、マスカットスタジアムでプロ野球の試合が開催されるのだが、平日開催なので、なかなか行く機会がない。

 去年、マスカットスタジアムで阪神戦がある日、たまたま仕事が休みになったので、観に行こうとしたのだが、チケットが取れなかった。

 昔は当日でもチケットが残っていたのだが、野球人気の高まりに驚きを覚えた。メジャーリーグで活躍している大谷翔平効果だと思う。






















 私が最後に球場で野球観戦をしたのは、もう10年近く前のことになるだろうか?





     阪神 対 ヤクルト戦だった。






















 マスカットスタジアムまでは電車で行く。球場の場所は知らなくてもかまわない。駅から多くの人が向かってる方向が球場だ。

 15分ぐらい歩き、球場に着くと多くの屋台が出ている。ツマミを仕入れておきたところだが、試合前のプロの守備練習が見たいので、屋台は帰りに寄ることにした。

 なお、帰るとき、すでに屋台は終わっていた。野球の試合が始まると、屋台で買い物をする人がいなくなるためだと思われる。

 私は試合開始30〜40分前に球場に着いたのだが、もし、屋台を楽しみたいのなら、試合開始2時間ぐらい前には球場に着くようにした方が良い。





















 チケットを係の人に渡してから入場する。なお、野球観戦初心者は内野席がおすすめである。外野席は応援団がいて、みんなで応援歌を歌うので、周りのテンションについていけないと思う。

 また、マスカットスタジアムの外野席には売店がない。飲み食いができないと、野球観戦の楽しみが半減する。

















 
 狭い通路から球場に入ると、眼下一面に緑のグラウンドが広がる。実に気分が良い。守備練習はすでに始まっており、阪神の守備練習はもう終わっていた。

 
 席に座ると、来る途中の酒屋で買ったビールをおもむろに開ける。蒸し暑い球場で飲むビールは最高だ。ツマミは少し奮発してビーフジャーキー。

 なお、球場に飲み物を持ち込むときには、紙コップに移さなければならなかったらしいのだが、知らなかったし、入場のときも注意されなかったので、私は缶ビールを堂々と直飲みしていた。


















 プロ野球選手の守備練習を見ながら、ビールを飲む。プロ野球選手の肩の強さとボール回しの速さに驚く。ビールが空いたらレモンサワーに移る。


 守備練習後にヤクルトのマスコットキャラの今は亡き「つば九郎」のフリップ芸が見れると思って楽しみにしていたのだが、試合が始まりそうな雰囲気で、つば九郎が出てくる気配がない。

 ネットで調べたところヤクルト主催の試合でしか、つば九郎は来ないらしく、私が観たのは、阪神主催の試合だったため、つば九郎が来ないことを知ってがっかりした。





















 試合が始まるころには、酒がなくなったので、売店に買い出しに出かける。マスカットスタジアムの売店は少ない。ハイボールと、モツ煮を買った。

 以後、回が変わるごとに買い出しに行く。7回には花火が上がったのだが、買い出しに行っていたため、音しか聞こえなかった。

 ちなみにマスカットスタジアムにビールの売り子はいなかった。なお、私が売り子からビールを買うときに銘柄はこだわらない。私がこだわるのは売り子が可愛いかどうかだ。





















 ひとしきり飲んで酔っ払ったら、阪神外野席近くの通路に陣取る。応援歌がよく聞こえる。応援歌など知りはしないが、周りに合わせて声を出すと実に気分が良い。もちろん、売店でカンフーバットは購入済みだ。

 ヤクルトの応援席側には行ってないが、当時、メジャー帰りであった青木宣親選手の応援歌はBack to the futureの主題曲をモチーフにしたもので、これが、かっこよかったんだ。




















 阪神のピッチャーは、現在では引退している、メッセンジャー、ヤクルトのピッチャーは、現在現役最年長の石川。

 試合は、当時、全盛期の現役最強バッターであった山田哲人が2回連続でエラーをしたことから、ピッチャーのリズムが崩れ、大量失点に繋がりヤクルトの負け。

 バースの再来と呼ばれたロサリオがホームランを打ち、引退間近の鳥谷が代打でヒットを打ったことを覚えている。

 


















 試合が終わるとヒーローインタビュー。ホームランを打ったロサリオがインタビューを受けていた。客は帰り支度をしており、すでに客席はまばらだ。

 ヒーローインタビューが終わると、最後に応援団の奏でる六甲おろしに合わせて、阪神チアガールが踊る。

 ほとんどの客は帰っており、スタッフが片付けを始めている。あれほど華やかだった球場が、今は嘘のように静かだ。


 私は、このときの誰もいない寂しそうなグラウンドを眺めるのが好きだ。
 





















 
 ちなみに、私はスター選手しか知らないので、当時、それほど有名ではなかった、ヤクルトで現YouTuberの今浪選手や阪神から退団した北条選手がスタメンで出ていたか覚えてない。

 また、阪神の「横田慎太郎」選手がスタメンで出ていたか、ベンチに入っていたかも覚えていない。



 なお、当該記事の見出しである「栄光のバックホーム」は、この「横田慎太郎」選手を主役にした映画の題名である。





















       「栄光のバックホーム」




 ヤフー映画の評価    4.6点

    私の評価       4.6点

 




  ※ ストーリーに関する重大なネタバレ有り。 ただし、映画を楽しむためには、むしろネタバレを推奨する。




















         簡単なあらすじ



 「栄光のバックホーム」はプロ野球現役中、22歳で脳腫瘍を患い手術。リハビリを行ったのち、現役復帰を諦め引退。そして、28歳で亡くなるまでを描いた「横田慎太郎」選手の実話を基にした映画である。





















 映画冒頭は横田選手の母親の回想から始まり、子供時代から、高校まで野球漬けであったことがダイジェストで説明され、阪神に入団したところから、物語は始まる。


 映画序盤は阪神でひとつ先輩である北条選手と友情を深めていく様子や横田選手の恋愛について描かれている。

 この恋愛描写は映画監督が北条選手や横田選手のトレーナーから直接聞いたものを描写しており、他の本やTV放送での恋愛描写はないそうだ。


















 中盤は、目の見え方がおかしいことから病院に行ったところ脳腫瘍が発覚する。そして、手術を行なった後、トレーナーとのリハビリを中心に話は進む。

 手術後、再び野球ができる喜び、リハビリは進むが視力が回復しない横田選手の葛藤が描かれている。



 2年間、懸命にリハビリに励むも視力が回復しないことから、横田選手は引退を決意する。1軍での実績がほとんどない選手ではあったが、球団のはからいで、引退試合を2軍で行う。

 劇中では背番号から1軍の選手が横田選手の引退試合を観戦していることが分かる。実際の引退試合でも、多くの1軍選手が横田選手の引退セレモニーに参加している。




















 横田選手の視力が回復しておらず、打席に立たせると危険なため、守備のみの出場。守備位置はセンター。2アウト、ランナー2塁の状況。

 打った打球は横田選手の守るセンターへ飛ぶ、ワンバウンドしたボールを横田選手は見事に捕球し、ホームに帰ってきたランナーをノーバウンド送球で差してアウトにする。

 ボールが見えない状態で捕球して、ランナーを差したことから、この守備は「奇跡のバックホーム」と呼ばれている。


 横田選手は、自らのことについて書いた本を出しているのだが、引退試合のときの守備にあやかり、本の題名は「奇跡のバックホーム」にしている。

 

 

















 映画終盤は、横田選手の引退後の生活から闘病。そして、横田選手が亡くなるまでのことについて、描かれている。

 引退後の横田選手が講演を中心に活動を行っていたところに、腫瘍が脊髄に転移していたことが発覚する。いわゆるステージ4で、完治は見込めず、延命が目的の治療になる。



 エンディング曲の、ゆずの「栄光の架け橋」は横田選手が入場曲に使用していた。「栄光のバックホーム」の映画の題名はこの入場曲から来ている。

 映画の題名を「奇跡のバックホーム」にしなかったのは、最後のプレイは横田選手の努力の結果であるから、と映画監督が考えたためである。






















 劇中の野球のシーンはCGを使わず、実際にプレイしている。したがって、主役を演じる俳優には野球経験があることを求められたため、松谷鷹也という、まったく無名の俳優を採用している。

 ただし、松谷鷹也氏は、この役作りのため、わざわざ引越しをして、社会人野球に入団し、2年間も野球の練習をしている。阪神ファンの方いわく、スイングは横田選手にそっくりらしい。


















 トレーナー役の上地雄輔氏は、クイズヘキサゴンでの、お馬鹿キャラが有名だが、実は甲子園常連の「横浜高校」出身の野球ガチ勢。

 あのメジャーリーガーである松坂大輔選手と一緒に練習をしていた。横浜高校時代の上地雄輔氏のポジションはキャッチャー。

 劇中でもキャッチャー役をしているのだが、マスクの被り方やミットの構え方が堂に入っている。また、劇中のノックも上手い。

 

 















         映画の不満点



 記者のセリフが説明的すぎるところがある。「誰に説明してんねん。」と思わず、つっこみたくなる。もう少し、映像で伝えた方が良かったと思う。


 次に、北条役の人、記者の役の人、横田選手にサインをもらいに来る役の人の顔が似ているところが気になった。映画を観ていて誰が出てきたのか分からず困惑する。


 また、「奇跡のバックホーム」のシーンで、キャッチャーが走者にタッチしていないように見える。もしこれが、本試合であったなら、リプレイ検証不可避である。






















           まとめ



 私の感想は、とにかく泣けるの一言。私の場合、リハビリが始まったところから、ずっと泣いていた。エンディングで「栄光の架け橋」が流れると涙が止まらなかった。

 
















 

 朝日新聞の本社は大阪にあり、阪神のニュースを取扱うことが多いので、横田選手の引退試合の「奇跡のバックホーム」についての記事を私は読んでいる。

 朝日新聞の記事では「ボールは見えなかったが、前に出た。」との横田慎太郎選手のコメントを載せていた。

 劇中で「ボールが見えないから、怖くて前に出られないんです。」と泣きながら訴える横田選手のセリフは、「奇跡のバックホーム」の前振りになっている。


















 ネタバレしていた方が、より感動できる作品だと思うので、事前にYouTubeで「横田慎太郎」で検索をかけ、以下のシーンを見てから、「栄光のバックホーム」を観た方が良い。




 ・ 横田選手の引退試合(奇跡のバックホーム)
 ・ 阪神優勝試合のクローザー登場シーン
 ・ 阪神優勝時の胴上げシーン























 私は映画公開から2か月ぐらい経ってから観に行ったにもかかわらず観客は多かった。年配の方が観る映画だと思っていたのだが、若い女の子が多くて驚いた。

 周囲の観客も皆、泣いており、鼻をすする音がそこら中で聞こえた。周囲で泣いている人がいると、つられて泣けてくる。そのため、一人で観るより映画館で観た方が感動できる。

 また、阪神ファン、野球ファンだけでなく、野球を知らない人が観ても楽しめる映画になっていると思う。



 「栄光のバックホーム」は、ぜひ、映画館で観てもらいたい、おすすめの作品である。





 おしまい





 
更新日時:2026/01/26 15:15
(作成日時:2026/01/25 07:33)
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