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先軫張邈を使おう! 使え!

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壁のシミ
壁のシミ
先軫張邈を使い倒して食客に到達したので、丘るついでにデッキの詳細な解説をしようと思って、Xでアンケート取ったんだよね。



まず存在を理解されてなかった畜生!!!

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先軫張邈デッキとは、先軫が片方の端を、張邈がもう片方の端を攻めることを主軸に置いた前出しデッキを指す。先軫は速度低下のデメリットと武力上昇、防護効果を併せ持ち、何より城に辿り着くことで直接城に20%ダメージを与える特殊な計略だ。これを囮にすることで、城際で強い張邈を存分に輝かせよう、というのがこのデッキのテーマとなっている。デッキの中身はこんな感じ。




理解のために非常に大雑把に例えると、朝倉宗滴と張邈が左右を歩いてくるデッキに構造的には近い(立ち回りは全然違うので、あくまでデッキの構造が似ているという意味で)。

デッキタイプとしてはバラデッキに当たる。先にざっくり纏めてしまうと、このデッキは
・先軫を撃って囮にしつつ通し
・ほぼ無傷で進んだ逆サイドからの張邈を絡めて追加で城を殴り
・残りの時間は適当に誤魔化す

この三点を主としている。

まずはこのうちの上二つについて詳しく説明し、このデッキの核である「攻め方」を解説していこう。

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理想的な攻め方は、先軫が士気5~6で完璧な溜めに入ることだ。
(この場合の完璧とは、味方が生きているとかよりは、相手の槍の兵力が半分以下等々、相手がすれ違いで城に殺到できないような状態を指す)


例えばこういった状況が好ましい。

先軫は囮としての性能が非常に高い。何もしなければ貴方の城は20%取られます、という宣告には見えている地雷としての効果がある。もっと身近なカードで例えるなら、攻城術のついた朝倉宗滴が由比に復活させられて歩いてきたら、流石に張邈よりはそちらを先に対処しようという気になるはずだ。少なくとも計略を撃つなら朝倉宗滴側だろう。先軫にもこのような効果がある。例えばこのような感じだ。



ここで張邈を後から出していくとかなりフリーに近い状態で敵城へとたどり着くことができる。金溜に繋ぎ、先軫を通しつつ張邈の耐久力を高め、士気が溜まり次第の張邈となる。





先軫は攻城力としては役に立たないので、相手と消耗し合いながら敵城についてくれればお役御免だ。そこから先の攻城は、金溜を受けて白くなった二人の2.5コストが担うことになる。相手が先軫を低士気で止めようとして兵力消耗していれば、張邈はおろか素武力のもう片方の2.5コスト、周瑜でさえかなり面倒くさくなる。存分に城を殴ろう。

ここでもう一つくらい計略を撃たせれば御の字。相手のフルコンがほぼなくなるので、守りの赤禰や張邈が輝く。更に余裕があれば二回目の先軫に繋げる選択肢も生まれる。これが基礎の基礎、理想ムーブである。一連の流れの参考動画は以下。





一方、先軫+金溜でも通らないような大型計略で相手が先軫を全力で止めに来る場合も考えられる。例えば先軫に対してとあを撃たれた場合だ。



こうなると先軫は通らないので基本的には周囲に被害が出ないよう、先軫を見捨てて城に引きこもる。ただ、相手としてもこっちが士気流派な上、守りだけで士気差が2付いてしまうのはあまりよろしくない。そのため、残りの効果時間で攻城を取りにくる場合が多い。



これをしっかり無士気で凌ぎ(相手が中盤で撃っていてくれれば不可能ではない)、相手の足並みを崩すことで、もう一度先軫チャンスが生まれる。一度仕切り直し、完璧に開幕を終えたような状態を作り直すことで、より士気が潤沢な状態での先軫を撃ち直せる。後の流れは上述したとおりだ。先軫を見捨ててからカウンターまでの参考動画を以下に示す。



なお、士気5~6で先軫を撃ちたいのはこのあたりの動きも関係している。相手が大型号令を二連打できる状態だと「先軫を倒す→城に来る→もう一回!」が成立してしまい、とんでもないダメージを背負わされることがある。なので相手の士気が潤沢になる前に先軫を撃っていきたい。




さて、上述した理想ムーブ二つをいつでもできるとは限らない。相手の足並みが揃ってしまっており、すれ違いになりそうな場合は、無理に先軫を撃たない方がよい。

というのも、かつて三国志大戦において存在した同種の計略、タイガーショットは、本人が槍の2.5コストだったゆえに無理矢理撃って敵将とすれ違いになったとしても、城のダメージレースに勝てる可能性があった。



こんなんで城ダメージレースに勝ってたってマジ?

しかし先軫は無理だ。20%が確定していても、そこから放置された時に貰える城ダメージがあまりに小さすぎる。相手に「今すれ違いで攻めれば20%以上取れるな」と思わせてしまうような状況では先軫は最適解ではない。例えばこういう状況では撃つとまずい。



その時は基本的に士気流派1を撃ちつつ相手の攻めに対して赤禰や張邈を撃って対応して士気差を貰ってから、また仕切り直して攻めていくという流れになる。要はやることは先ほどの先軫を見捨てるパターンと同じなんだけど、この場合は相手は明確に城についてから計略を撃ってくるので前述の場合より厳しいことが多い。解決方法はリアル気合い。



纏めると、「開幕やカウンター時など、なんとかして先軫が通りやすい盤面を作る」→「金溜を使ってねじ込む」→「同様に金溜の効果を受けた張邈をさらにぶち込む」というのが、このデッキの攻めの骨子である。

先ほど朝倉宗滴+張邈とは立ち回りが違うと言ったのはこのあたりで、士気と盤面が続く限り無限に攻めて相手に対応を強いていく宗滴に対して、先軫+張邈は態勢を整え、たった一回の金溜に全てを賭けて突っ込む趣が強い。

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しかし、金溜まで込みで一回の攻めに全てを賭けるなら、むしろ普通の号令でいいのでは? わざわざこんな特殊なデッキを使う意味は? と思う人もいるだろう。これは実際好みの問題も大きいが、先軫張邈の利点としては以下があると私は思っている。

・部隊が固まらなくていいのでダメージ計略や剣豪超絶に有利、騎馬超絶に不利
先軫は確かに知力が低いが、範囲ダメ計に対しては先軫一人を犠牲にできるのでさほど不利が付かない。いざとなれば金溜もある。剣豪超絶は先軫を止めようとするとずっと組み合っててくれるのでとても楽に戦える。一方で固まってしまってはデッキの利点が潰れてしまうので、騎馬超絶には弱い。朱儁だけはマッチングしないように天に祈ろう。

・足並みを揃える難易度が極端に低い
先軫の進軍が遅すぎて、張邈は後からゆっくり出ていくくらいがちょうどいい。逆に言うと先軫張邈は足並みを揃えるハードルが異常に低い。先軫を撃った時に張邈が復活まで残り10秒とかでも全然OK。

・先軫が囮になるため他武将のライン上げがしやすい
号令と違って明確な囮計略を先打ちしてからラインを上げるため、残りの面子が非常に動きやすい。張邈がノーダメージで城に着く光景は中々面白い。このあたりは宗滴デッキのエッセンスを多く含んでいる。

・メタ外である
正直、ここまで色々言ってきたが、他のデッキを差し置いてこのデッキを使う理由は、ある意味これが一番有力な答えかもしれない。例えば先軫は全盛期の蒼紫であっても士気差を貰えるし拘束できるので苦手ではなかった。誰もデッキを組むときに先軫を意識した作り方をしないので、「大半の号令に有利で流行っているもの」「その流行りに対するメタ」に対して偶然にも変に有利が付くことがある。これがね、案外楽しいんだよね。

***

さてここまでは、先軫張邈の攻めの骨子を紹介してきた。覚えているだろうか。冒頭で言った先軫張邈の特徴は、攻めの二つ以外にもう一つあったことを。

・残りの時間は適当に誤魔化す

……いやない。ないね。情報量がない!

先軫張邈はデッキ名になっている武将が全て攻め用の武将であることからも察せられるように、あんまり守りに比重を置いていない。残りのコストで守りの要素は当然確保しているので、現状の守りパーツを紹介するが、ここはまだ発展途上だと思って読んでほしい。



まず周瑜。彼はマッチング画面における守護神である。そこに突っ立っていてくれるだけで「まあ相手の戦器は再起か知力上げだろう」との予想が立つ。また、先軫張邈は積極的に計略を先打ちしていくデッキなので、相手との士気差を少しでも埋めるためにこっちが士気流派、相手がそれ以外であってほしい。なので部隊流派か城塞流派を選ばせがちな周瑜の効果は絶大である。

マッチング画面に立っているイケメンはそれだけで仕事をしているのだ。かっこいいね。

勿論ただの威圧感マシーンではなく、時には海国赤壁、赤禰赤壁などフル稼働してもらう場面もある。しかし周瑜の魅力は何よりも、計略を撃たなくてもスペック要員として有能なことである。先軫からバトンを引き継いで潤沢な兵力と高い知力で敵城をぶん殴るインテリヤクザの姿には全米が泣いた。



次に赤禰武人。彼に関してはもはや理論的なものは何もなく、「抜くと負ける」という、もうそれしか言えないカードだったりする。なんかね。ハンニバルとか周姫とかいろいろ試したんだけど、結局この男に戻ってきちゃうんだよな。

開幕知力8の伏兵、士気差を埋めやすく守りに特化した計略、先軫とのコンボという一応の可能性、とりあえず相手の攻城ゲージを減らせる鉄砲、イケメンな顔、美しい声。どれもがパズルのピースのようにこのデッキに当てはまり、ハーモニーを奏でてくれているということだろう。(訳:わかんね~~)



そして周布。ここまで一度も名前が出てこなかった彼は、完全に守りの要員として採用されている一枚だ。特に低枚数のデッキに対して、開幕すれ違いからの城殴り合いに入った時、計略で時間を稼ぐことができるのは非常に頼もしい。


なんかね、よくこうなるんだよな……。

また、周布でなくてはならない大きな理由が、柵だ。先ほども言った通り、先軫張邈は士気5で相手の体勢が崩れているのが非常に好ましいため、相手が無理にでも壊しに来がちな柵は非常に意味が大きい。

さて、これらと先軫張邈を組み合わせて守りの時間は目一杯城を誤魔化すことになるわけだが、守り方としては基本的に以下の種類があり、溜まっている士気によって変わる。

士気4~5
赤禰または周布。士気1待ったほうがいいこともある。
士気5~6
張邈。最強。
士気6~7
張邈。弱渾身だが、どうしても張邈を撃ちたければ士気流派1を撃たないことでここで止められる。実は反計相手にやったことある。
士気7~8
めちゃくちゃ戦いたくない瞬間。周瑜待ちでこうなったならいいけど、周瑜が効かない相手に士気7から殴られたらやることないよ。
士気8~9
赤禰+周布が打てるけど、大抵は少し待って張邈の方がいい。
士気9~11
赤禰+張邈。赤禰は普通の号令に対してはかなり守れるので、赤禰を撃った後相手が何かしてきたら張邈までぶち込む感じ。あと一応、士気10からは先軫を守りに使う手もある。
士気11越え
赤禰+周瑜。もはやここまでくると士気が多すぎて張邈の調整がつかず、これ以外ではどうにもならない。身勝手にも士気流派1下方を祈っている。

渾身と撤退計略ばかりメインに据えている割には案外戦えるな! そうか……?
まあ、誤魔化さなければならない時間は30Cくらいだし、周瑜の威圧感のおかげであまり相手の増援戦器の心配をしなくてよい場合も多い。あとは頑張って時間切れを待つだけ! 楽しいね!

昔の守護神タイガーショットもそうだったんだけど、先軫張邈デッキは骨子が攻めの二人に集中しており、守りのパーツはこれから結構変わっていくと思う。なのでこれは絶対ではないし、皆様だけの守りのパーツとパターンを構築して楽しんでほしい。

いつか朱儁にも対応できる先軫張邈デッキが完成するのか──それは神のみぞ知る。

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なんでこんなに書いたんだろう。膨大ですね。

今のところ朱儁を筆頭に弱点が多いのも確かで、マッチングでげんなりすることもあれど、使用感は凄く良いです。私自身でとりあえず「食客に存在するデッキである」という実績は解除しておきますので、皆様もぜひ、お試しください。

終わり! 読んだ人、お疲れ様でした!!!!!

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Q お前の推しの曹仁……どこ行った?
A 軍飾席で自軍の士気流派1を叩き割ってるよ 私が試合中士気流派1なしで回していたらこいつのせいです(大嘘)

更新日時:2025/09/30 23:54
(作成日時:2025/09/30 23:43)
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