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新・漫画の話#9 黒鉄のヴァルハリアン

by
楊狐
文士
文士
楊狐
月に一度の漫画紹介!



自分ルール六条

一、英傑大戦の武将当人あるいは関連、所縁の人物が漫画作中に登場している。

英傑大戦に参戦しいる武将を題材にした作品を主に紹介していこうと思います。


二、漫画での主人公、協力者、敵役など。作中での役割は特に問わない。
ちょい役でも劇中に出ていればOKにしましょう(判定が緩い)


三、自分が実際に購入し作品を所有していること。
何処かで無料で読んだというのは無し。必ずきちんと購入して読んで行こうと思います。
すでに所有している作品紹介も兼ねていこうと考えていますので、過去に漫画紹介されている投稿者の方と内容が被るかもしれませんが、そのあたりはご容赦ください。


四、現在コラボされている作品はあえて扱わないこと。
公式ですでにコラボされているので割愛しようと思います。


五、月に一度、必ず投稿すること。
投稿するタイミングは月の何処でも良し。ただし、いかなる状況でも必ず投稿すること。
過去に挫折した年があったため。主に漫画のネタが切れたことが原因です。


六、英傑大戦の武将から著しく離れる作品は扱わないこと。
特殊枠は無しにしましょう。必ず武将が出てくる作品にすること。



今回の作品はこちら!








黒鉄のヴァルハリアン

著者:松原利光
出版社:集英社
レーベル:ヤンジャンプコミックス

あらすじ
元寇を生き延びた鎌倉武士・相馬鉄二朗は気が付くと見知らぬ場所にいた。
彼を連れてきたという少女・フリストから、ここは死んだ戦士の魂が集う館・ヴァルハラだと言われ…。
北欧神話の修羅の館に放り込まれた鉄二朗は、生き返るために様々な時代の「死戦士」たちと戦うことに!?
死んでも戦うぶった斬り剣劇アクション開幕!!


単行本背表紙より抜粋





作品紹介
この作品との出会いはweb上での試し読みでした。 
異世界転生もの?
ファンタジーもの? 
と思っていたのですが北欧神話で語られるヴァルハラが舞台ワルキューレのヒロインが出てきます。
当初、鎌倉武士VSローマ兵士という構図はビジュアル的にもストーリーとしても、すごい面白そうだと思いましたが、このときはまだ話としては序盤だったのでどういう風に進んでいくのかもわからない部分もありました。
それから月日は流れ……。
あるとき何気に本屋で見かけた第2巻(画像)の帯に武神関羽の文字が?!
えっ!どういうことだ? 
と思いつつも一旦は見送り、久しぶりにweb上で漫画の続きを読んでみると…。
髭殿と呼ばれる関羽の雄姿が、さらにフビライ・ハーン?! 
ちょ、待てよ! 
何だこの混成集団は?!
ど、何処の英傑大戦なんだ!!
気になってしまい一気に1,2巻を購入しました。
※現在は完結済み。全6巻。


さて、改めて作品に触れていきますと主人公は生前、味方にも呪われし魔王の剣と忌み嫌われた相馬流を操る相馬鉄二朗(鎌倉武士。モデルは相馬師常?)
鉄二朗は死後の世界で彼を見出したワルキューレのフリストと出会います。
現在ヴァルハラでは、この地に住む住人たちを苦しめているもう一人の邪悪なワルキューレがいるようです。彼女は死戦士と呼ばれるローマ兵たちを召喚し、この世界を牛耳っている模様。
そんな彼女に対抗するためにフリストは同じ死戦士である主人公を召喚したようです。
死戦士は不死で例え殺されてもヴァルハラに鳴り響く鐘によって復活できるようです。そして、死戦士を倒せるのは死戦士のみ…。徐々にお話の構図が見えてきました。

ここに上記の関羽やハーンが関係してきます。共闘し邪悪なワルキューレが率いるローマ軍と戦うということになるのですが…。
そこは生前の関係上いろいろと揉めたりしつつ、徐々に仲間意識を高めていく感じがしました。
少年漫画の王道な気配を感じます。
しかし、主人公である鉄二朗には荒々しく、危うい印象を感じました。これからどんどん困難にぶち当たって成長していくキャラクターなのかなと思いつつ、息子との再会はあるのだろうかと考えています。
彼、実は既婚者でヒロインであるフリストにも息子の面影を重ねたりするので、彼女のことは娘程度のようにしか思っていないのではないかと思います。
彼が望むのは生きて現世へと戻り息子と再会することですが、果たしてどう話が進んでいくのか今後の展開が楽しみな作品です。

自分が気になった髭殿。老年の姿で白髪に白髭を蓄え、自身の髭にこだわりを持つ武神として描かれております。
髭殿の願いは同じくこのヴァルハラへと来たであろう義兄弟との再会を果たすこと…。
気になる方は、まずはヤングジャンプ公式で試し読みをお勧めします。
気に入られた方はぜひ、自分のように手元に置いてくだされ。


※三国志大戦コミュニティ桃園より、自身の過去投稿(2022/01/29)を抜粋。一部改訂。





感想
上記、自身が過去に書いた投稿を読み返しつつ、思ったのが作品を語る上で大切な世界背景、設定でした。
「なんで?」に対してのアンサーが明確にないと続きを読みたいと思う気持ちが薄く、最悪読むのを辞めてしまいます。
それも自由ではあるものの。この「なんで?」に対するアンサーが「そういうものだから!」になってしまうのはあまりよろしくない場面もあります。
作品を英傑大戦に例えていますが、自分にとっては稼働初年度の英傑大戦がまさに「なんで?」でした。
この「なんで?」に対するアンサーが無かったんです。
ゲーム対する個々人の受ける印象もあると思いますが振り返ってみると自分が受け入れる感性というか、疑問に答えてくれない部分で引っかかりを覚えた記憶があります。
つまり、ゲームの世界観設定です。

現在は群雄伝の一部などで、どうして各時代の英傑たちが一堂に集まったのかというアンサーというか匂わせがあるようです。
(※もう答えが群雄伝の方で出ていてこちらが知らないだけなら🙏です)
いまはもう自分も慣れて、これは大戦シリーズ。「そういうものだから!」と受け入れていますが、やはり違和感や引っかかりを感じる人はいるのではないかと思いました。


説得力のある世界観にはリアリティを感じられる。
今回紹介した黒鉄のヴァルハリアンのように世界設定として北欧神話、ヴァルハラ、死後の世界と順を追って世界観の説明をしくれると作品への理解度と没入感が増します。
読んでいて気持ちよくストンとピースがはまっていった感じでした。
ああ、だから関羽がいて、フビライハーンもいるのか、と納得が行くわけです。
英傑たちの集まる説得力、こういう世界であり戦いのルールがある。
ということは?
次に続くエピソードの期待値や英傑にも期待が持てるわけです。

それは登場するキャラクターにもリアリティを与えます。キャラクターの背景である過去、生前の活躍、死後、この世界に来てからどうしていたのか。そして、そこから何処へ向かうのか。
世界観がキャラクター同士のストーリーともリンクしてくるわけです。
欲を言うなら……。もっと続きが読みたかった!
その後、どうなったか?と言う終わり方だったので。
語りきれないというか、あといくつかのエピソード。集結した英傑たちのそれぞれのエピソード等、もっと読みたかった部分が多々ありました。あと敵として出てくる英傑もたくさん出てきて欲しかったな。
それだけ完結しても続きが読みたいと自分に思わせる作品でした。



それではまた新・漫画の話でお会いしましょう。

再見

©SEGA

©松原利光
©集英社
更新日時:2024/01/28 20:58
(作成日時:2024/01/28 20:52)
コメント( 6 )
6件のコメントを全て表示する
楊狐
文士
文士
楊狐
1月28日 23時20分

yunatogirlsさんコメントありがとうございます。
という事は主人公が活躍してお相手を倒しても、結局生き返るのですか。←その通り!
ただし条件は主人公も同じなのですが、この世界でのルールだと死ねる回数は有限で、死ぬたびに生前の記憶を失っていきます。
主人公の目的が息子との再会。のちに息子と共に現世への帰還となるので記憶を失うわけにはいかないのです。
ヴァルハラで一番偉いのはヘルでしたっけ? ヘルに気に入られるような戦いをする事が勝利条件でしょうか。で、主人公はセーフリームニルを食べるのですね?←残念。神々まで出てこないです。
あくまでも北欧神話そのものではなく、下敷きにしている世界観なのでワルキューレまでは出てきますがそれ以上の存在は出てきません。
英傑大戦はゲームであり、いうなればプレイヤー側一人一人が主人公になるので自分たちでドラマを作ってくれという感じですかな。
(ヨシ!きれいにまとまった感がでてる)

Chaos
Chaos
1月29日 7時52分

関羽ということで、気になって試し読みしてしまいました…(関羽登場のとこまで読んでないけどw)
死ぬと生前の記憶を失うということは主人公だけでなく、関羽や他の者も死ぬわけにはいかないということに…
鎌倉時代の過酷な背景もあって、息子もどうなっていくか分かりませんね…
英傑は自分も群雄伝の方はまだ見ていないので、何とも分からないのですが三千世界の統一やら他の目的で動いているのもいる感じですかね(豊臣秀吉やら鍾会の台詞にも三千世界が出てます)。
そして自分が思っている疑問が1つ。野暮かもしれませんが、時代も国も違うのにどうやって意思疎通や会話をしているのか…!?(不思議な力というやつなのだろうか…)

楊狐
楊狐
文士
文士
楊狐
1月29日 9時50分

Chaosさんコメントありがとうございます。
試し読みありがとうございます!
そうしたルールもあって関羽やハーンのエピソードも、もう少し掘り下げた話が読みたかったなと思いました。
階層を上がっていく形(上に行くほど現代に近くなってくる)だったので、もっと英傑やエピソードを盛り込めたストーリー展開もできたとおもいます。もっと読みたかった。
自分も群雄伝は投稿読む範囲だったので、今年はちょこちょこ進めることができればなと思います。
キーワードは「三千世界」なのかな?
意思疎通や会話に関する設定は、英傑大戦だけでなく各ジャンルでの物語当初の問題ですが……。
英傑大戦はゲームだからという部分もありますが、早々に問題を解決する翻訳機的なものから能力的なもの、あるいは世界のルール的なところを説明している気がします。
これは自分の考察ですが英傑大戦の場合は日本であって日本では無い。
リアル日本では無く。言うなれば、SEGA日本!的な場所なのではと思います。
英傑の武将たちもSEGA武将なのかもしれないですな。だから意思疎通や会話できる!みたいな。

Chaos
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