おや、そこの流浪の旅人よ。ここは、かの侍共も泣いて逃げ出す鬼の酒吞童子の領土です。
ただの人がここへ来るのは、自殺志願者でもない限りはお辞めなさい。
ふむ……。その鬼の力が、気になると……。
よろしいでしょう。この私が、酒吞童子の恐るべき鬼神が如き力をお教えしましょう。
そうすれば、あなたはこれ以上奥深く迷いこんで、鬼に食われることなどなくなるでしょうから。
武力こそ鬼なり
まずは酒吞童子のデッキのスペックをみてましょう。
10/3 8/6先陣 7/5先陣 6/1 と、総合武力31に先陣まで足すと33!
そこらへんの侍共など相手になりませぬ。
鬼は多少頭がよくないみたいですが、よほどの伏兵を多く配置しない限りは確実に、争覇によってこちらの戦意が挫かれること間違いなし。
また、時間はかかりますが部隊流派による武力上昇も合わさってしまえば、もはや歯向かえる気などもなくなるでしょう。
さらに、酒吞童子殿の恐るべき号令により、7.9cほどの間、武力+6に速度が40%も上がるのです。
逃げ切ることなど不可能でしょう。城差を取り戻そうと、うかつに踏み込んだものは鬼に飲み込まれるだけ、くれぐれも無理に攻めないように気をつけなされ。
鬼は白兵で蹂躙なり
結論から申しますと、鬼は白兵が全てでございます。
鬼の血を引いている”漆黒才蔵”君主殿の動画を見てはいかがでしょうか。恐るべき操作でございましょう。
強靭な身体を押し付けつつ、突撃をし、部隊を各個撃破する。基本にして、忠実。これこそが鬼の力たる由縁です。
正直な所、先ほど言いましたどおりに基本は、武力を押し付ければなんとかなるでしょう。しかし、お互いが号令を打ち合ったときは、そうはいきません。
士気7と重いコストも払いますし、いくら武力+6したとしても、効果時間たかたが7.9c程。なんだかんだ耐えられることもありますとも。
かの平家の侍など、陣形とかいう割にほぼ号令みたいな感じで突っ込んでくるではないですか。あれなど衰えたといえ、いまだに武力+6と11.3cもあるのです。
嬲るようにゆっくり戦っていてはこちらが不利となりましょうぞ。
では、どうすればよろしいかと申されますと……。
簡単なことです。武力と速度による突撃を繰り返し、相手の部隊を即座に撤退させることでございます。
兵は神速を貴ぶ。火の如くのように。基本に忠実に。しかし、それが難しいもの……。
多少の被害を被ってでも、部隊を素早く落とす判断をしなくてはいけないことです。強靭な肉体では想像できないようなテクニックが要求されることでしょう。
しかし、ご安心なされよ。酒吞童子様の号令の前では恐れるべからず。必ず貴方には鬼神が如き力に助けられるだろう。
恐れるな。身体から溢れる鬼の力を使い、思う存分暴れればよいのです。
鬼の力は一つではないなり
酒吞童子様の号令の力は素晴らしいものですが、それ以外の鬼の方々も素晴らしいものです。
例えば、茨木童子様は士気5渾身計略と軽くて扱いやすいでしょう。
士気がたまっておらず、号令が打てない時に攻めてくる卑怯な侍共も、茨木童子様が無慈悲に切り捨ててくださいます。
また、酒吞童子様と茨木童子様は大変仲が良く、士気を溜めてコンボをしてくる相手にもなぎ倒してくれるでしょう。
+6と+8で武力22!さらに斬撃範囲拡大!!誰も寄せ付けることなく残虐が行われるだけ。城回りは血の海と化すことでしょう。
もし、愚かな君主の城を破壊したくなったのならば、金童子様が持つ呪いの鎌の力が振るわれることとなる。あの鎌に触れたものは逃げられることはないでしょう。
城から出てきた愚かな者共など、哀れでございます。身動きが取れずに酒吞童子様と星熊童子様が突撃して蹂躙するだけです。
さらにそこで、酒吞童子様の号令が放たれたのなら……。それはもう、素晴らしい世界が広がっておられることでしょう。
我々が城を殴り続けているのを、指を口にいれることしかできませんとも。嘲笑って差し上げればよろしいかと。
また、戦器に関しては貴方の好みによりましょう。
号令を二回連続打ちたいのならば、”鎖子黄金甲”を。
継続的に戦い続けるため、瞬時に大量回復な”源太が産衣”。
長時間武力差を生み、カウンターも視野をするなら”孫氏”を。
相手に武力を押し付けて、士気を吐かせるための”曜変天目茶碗”。
全てを破壊できるような、武力を得たいなら”童子切安綱”を。
もはや相手は酒吞童子様に踊らされるだけの哀れな傀儡でございます。楽しみましょうぞ。
貴方はもう鬼なり
酒吞童子様の鬼神は如きお力を理解できた貴方は、もはや我らと同じ鬼の眷属になったも当然。
……存じていないのですか?貴方はすでに、この地に流れる鬼の力に支配されて、身体に変化があることを。
もう鬼の象徴たる立派な角も生えておらっしゃるではないですか。素晴らしいものです。ご安心くだされ。
あそこにいる侍共をご覧ください。鬼の力を知らない愚か物どもを。
三千世界から現れた英傑だとか騒がれていますが、身体に流れる鬼の力を解放すればとるに足らない雑兵と変わりませぬ。
鬼の力で蹂躙し、向かってくる愚か者は切り伏せ、逃げようとするものは食いちぎり、貴方の身体は血にまみれて興奮し、人の身では得られないような想像を絶するほどの快楽を得ることでしょう。
そして、ついに城を落とした時、貴方は絶頂の淵に立たされていることでしょう。その興奮を抑えきれず、思わずこう申されるはずだ――
――「君の死は美しい……」、と…………
では、改めまして……
ようこそ、鬼神が治める素晴らしき鬼の国へ
なろう系投稿?第0話
次は転生ですね。解ります