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反省文筆業

by
伏龍殿の覇者
伏龍殿の覇者
※なんっっっっっっでも許せる人向け
 
1.序盤
最強のデッキを作った、と思った。
総武力は31あって、鬼は二人、狙撃が一人いて、なんと先陣は四人もいた。
勿論開幕はとても強くって、不運にも(あるいは無情にも)無二が伏兵を踏んだりだとか、試合の5c経った辺りで従弟の母親の妹の親戚の結婚の報告が急に舞い込んできて必死に紙と鉛筆に家系図を書いて、一体僕がそんな式にどうして出なくっちゃいけないんだ?と話していたりしない限りは負けることが無いように思えた。
そんな、素敵な開幕で始まるデッキがどうやったって負けるはずがない、何せこのデッキに入っているカードを一目見れば分かるように、そうそう相手の攻城を許したりするはずがないのだから。
 
2.開幕の終わり
輝くようなビーチとプール付きのホテルに泊まった日の朝食に、ハムエッグとバターとカリッカリに焼いたトーストが出た晴れの日のような、そんな開幕が過ぎた。開幕には「先陣」が発動している源為義が僅かな時間にもかかわらず知力を活かした攻城を成功させ、争覇を取り、撤退したのも殿を務めた源為義だけだった。
そうして最初の計略を使った戦闘が始まる時、それは起こった。
 
ケース1:
ちょうど一度目のぶつかり合いは士気7辺りであることが多く、その場合に打てる計略がどれも弱いものとなってしまっていました。基本的には玉藻の前を打つのが妥当な選択になりますが、それでも毒陣を抜けてきた号令を素武力で全て止めるには重く、若干の攻城を貰います。
 
ケース2:
開幕の良い状態のまま、こちらが相手城を攻めに行くことになったとしても、こちらが打てる計略がありませんでした。基本手には金童子を使って貼り付けたり…となりますが、あまりにも攻めの線が細すぎました。
 
3.中盤
そうして少しだけ削られた城を見て、僕はスプーンを中央に差し込んで歪に崩れてしまったオムライスを想像した。それは元の形と比べてもほんの僅かな欠損で、それを大きな問題と思うには大げさにも思えたが、もうどうやったって戻らないものであることが分かった。
 
ケース3:
中盤以降でもケース2.と同様に攻め手に欠ける点があり、カウンターで城ダメージを稼ぐには限界がありました。素武力が高く、どの計略で守っても被弾を少なく守れるのは事実なのですがこちらが稼げる城ダメージは争覇1回+誰かの1攻城程度に収まるため、ぶつかり合いの度に微差がどんどん広がって行く結果となりました。
 
4.終盤
僕はしばらく相手がまた来るのを待っていた。ある雨の日にシャッターがほとんど降りてしまった商店街で、一つだけポツンと空いているパン屋さんの店主みたいに、せっせとパンを焼き、人が来るのを待ち続けた。けれどもう相手は攻めたりはしなかった。このゲームは別に相手の城を削りきらなければ勝てない訳ではないのだ。
 
ケース4:
相手がパラパラと号令で攻め続けてくれれば、こちらとしても部隊を投げながら、相手の想像を上回る守りをすることで差引の城ダメージが相手を上回るときがあります。
基本的な戦術としては為義、金童子を投げながら防衛をする「往年の端投げデッキ」をイメージしていたつもりでしたが、現在の英傑大戦はカードプールが少なかった過去バージョンと比べて端に投げながら守って有利にしていくというゲームメイクは困難な傾向にあるようです。
 
 
5.反省
・デッキコンセプト
このデッキを運用する際に配信でプレイをしていたが、「どういうコンセプトのデッキか」という質問があった。コンセプトは優れた白兵、優れた計略で、既存のバラより盤面を有利にするというものであったが重要なことがある。
これはゲームをし易くするというもので、別に勝つための手段でも負けないための手段でもなかった。
例えば過去使ってきたこんなデッキがある
このデッキは「長井雅楽で早めにリードを取って残った士気でそのリードを守る」というコンセプトがある。
そのコンセプトを守るには「士気を6の段階で攻められるようにする」であったり、「暇な時にも長井雅楽を捨てに行く」であったり、「久坂は絶対に復活した状態で守らなければならない」などがあげられるが、これはコンセプトを守るために試合の指針が決まっている。
またこの条件を守れない相手は不利、そうでない相手は有利と事前に机上で相性を判断することができた(勿論ズレることもある)。
前述のデッキに無理矢理当てはめれば「兎に角常に有利でなければならない」という無理難題であり、到底達成できるものでも試合の指標にもならなかった。茨木童子を攻城させて良いのか良くないのかも試合中に決める必要があった。
テンプレとそうでないデッキの大きな違いにそもそもどう動くかが決まっているかどうかもあげられると思う。事前にテストの答案を受け取ってからテストをするのと、ぶっつけ本番でテストをするのは正答率が大きく異なるのと同じように思える。
デッキのコンセプトが決まっていないデッキをプレイするべきではない。
 
・6両面理論
試合後、上記のように改善した。
この二つは負けなかった(計6戦しかしてないけど)。
そもそも号令があった方がまとまるだろう、というのは勿論そうなのだが、最近考えた上位プレイヤーの選択の中で「過剰に入れることの悪さ」を感じていた。そして勝手に「6両面理論」と呼ぶことにした。
麻雀というゲームでは13枚の手札を使って主に数合わせを行い、234、567のような並びを作るとハッピーだ。そのうえで56などの両面(リャンメン)と呼ばれる並びは4を引いても8を引いても連番になるので強い。ただし、考えてみると麻雀というゲームでは最後に4つの並び+αを作ってアガる訳だから両面を6つ作ると、一つが3つの並びになった時点で、一つを捨てなければならない、そして残りの5つは両面で等価値なのだ
 
閑話休題
 
なぜ上位陣のプレイヤーで槍2剣豪1ではなく槍3なんだろうな〜と思うときがあった。剣豪を鉄砲や弓に置き換えてもいいけれど、とにかく、これだけ上手いんだから「槍なんか入れなくてももっと剣豪とかを入れたほうが号令を簡単に守れそうなのに」と思っていた。
が、最近それは誤りで、「上手いんだから剣豪なんか使って楽しなくても槍を入れられる」ことが分かってきた。剣豪はいると「楽な兵種」だけど、槍は「いないと負ける可能性がある兵種」であって、槍を構築上減らすということはハンドスキルでカバーできない負け筋を増やすことである、ように感じた。
 
6.終わり
普段縛りデッキを使っている影響で(時代とか関係性とかコラボカード不要とか)たまに無性に制限をないデッキを作って試したくなることがある。そうしてとんでもなく強いデッキを作ってやろうと思ったらハチャメチャ弱かったので反省として書いた。自戒としてここに著する。
 
 
 
作成日時:2023/02/07 17:16
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コメント( 1 )
まっつん
文士
文士
まっつん
2023年2月7日 18時0分

コメント失礼します!
低品なので比較にはならないかもですが、最近「このデッキ絶対強いじゃん使ったろ!」で従三位下から従四位上まで一気に落ちましたので流行する型って大事なんだな~と感じています。
それでも気づいたら「自分の考えた最強デッキ(笑)」を夢見てゲーセンに乗り込んでいる自分がいるのですが。。
多分この性格は死ぬまで治らなさそうです 笑

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