歴史話：不仕二君

どうも、王桃盗賊団の者です🍑



さて今日は久々の歴史話なんですが、テーマとなるのはタイトル通りの不仕二君です🙄

「？」となっている方も多いと思いますが、三国志大戦をプレイしていた方ならこの言葉に聞き覚えがあるでしょう👂

この張任の計略名がまさしく不仕二君ですね🏹



この不仕二君という言葉、元ネタは春秋戦国時代の斉の王燭という人物の言葉です🧐

王燭は宋を滅ぼした最盛期の斉で東帝湣王に仕えていた賢人で、その賢才ぶりたるや隣国の燕にまで轟いていましたが、湣王はあまり彼の意見を受け入れませんでした💦
なので王燭は士官を辞して在野に下り、晴耕雨読の生活を送っていました

そんな折、燕が誇る稀代の名将であり、後の劉邦にも多大な影響を与えた人物である楽毅が連合軍を組んで斉に侵攻してきました💥
これが、斉の衰退を決定付けた済西の戦いです⚔️
この戦いでなんと斉軍は全滅、湣王も殺され、斉の領土は僅か2城のみという状況にまで追い詰められてしまいました

そんな中、楽毅らの連合軍は在野に下っていた賢人王燭を登用しようと試み、彼の住む地域には手を出すなというお触れまで出しました✋
しかしそんな士官の誘いに対して王燭は「忠臣は二君に仕えず」と言い遺して自ら首を吊りました☠️
その忠義心の強さは後世にも高く評価され、後に斉の復興に尽力した田単の伝で共に紹介されています



このように、真に忠義のある武将は主に殉じる覚悟で仕えよ…というのが東洋文化圏古来の考え方でもあります👍
まぁその精神が終身雇用制や中途採用軽視の風潮となって現代日本にも残っている気はしますが…🥴
ともあれ、この不仕二君という言葉は忠臣の象徴のような言葉なんですね✨






さて、そこでこの人を見てみましょう👇🏻

日本の戦国時代が誇るボンバーマンこと松永久秀です💥
晩年の松永は信長に対して2度も反逆していたり、最期には嫌がらせのような自爆を敢行した伝承でも知られていますね

しかし遙か過去の我が投稿でもお話ししたのですが、実は彼の生き様からその思考を想像するとかなり面白い人物でもあります👌
まず何より彼は三好長慶の門下にて、主の嫡男…つまり将来の主となる義興と同じタイミングで同じ官位を得る程に重用されていました✨
松永もまたそれに応え、義興と共に将軍地蔵山の戦い・教興寺の戦い・伊勢貞孝の討伐などをこなしています

そして三好家と将軍義輝の橋渡し役として双方に仕えた松永は、この時既に一家臣どころか大名クラスの権勢を誇っていたものの、長慶が没するその時まで反旗を翻したりなどせずに忠義を貫きました👍



しかし長慶が没した後に三好三人衆や松永の息子久通が将軍義輝を暗殺する永禄の変が起こり、畿内が混乱状態に陥ります💦
なお、そもそも義輝はその長慶が擁立した将軍である為、松永本人はこれに関与していません❌

そしてその混乱を収めたのが、新たな将軍義昭を擁立して上洛した信長でした

信長と同盟を結ぶ事により大和国での地盤を安定化させる事に成功した松永ですが、以降度々信長と対立した挙句に信長包囲網にも参加するなど、既に『忠臣』ではなくなっていました🥺
結局松永は本拠地・信貴山城を佐久間信盛に包囲され、自ら天守に火を放って自害しました☠️






…とまぁ軽く松永久秀の経歴を辿ったわけですが、彼の性格が長慶の死没を境に急変しているのがお分かりでしょうか🤔
これは自身を抜擢してくれた長慶への恩義を貫き、その上で三好家の傍系でありながら本家を放逐し専横を企てた三人衆らと相対し、本来の三好勢の姿を維持しようとしていた事の証左です

度々奸臣だとか梟雄だとか評される松永ですが、その根幹は長慶個人への強い忠義が故であったという事が分かるかと思います👍
主に殉じこそしなかったものの、松永もまた不仕二君の忠臣であったと言えるのではないでしょうか






というわけで松永久秀の話でした🙇‍♀️

世間的には悪人イメージの強い人物も、少し見方を変えれば新たな評価ができる…というのがご理解頂けたかと思います✨
皆さんも是非、お好きな人物の素顔を調べてみてくださいませ

今回は以上‼️