から脱退します。
よろしいですか?
「本日はお招きいただき、感謝いたします。竹中半兵衛様・・・。
「いえ・・・このような世界であるからこその機会、身勝手ながら利用させていただいたまで。
「成程、それは貴方が軍師なればこそでしょう。私も遠き未来の話をお聞きしたかったので。
「そう言ってもらえるとは・・・光栄ですな。さて、立ち話もなんですから、どうぞこちらへ・・・。
「風の噂で聞いた所によれば、なんでも貴方は”今孔明”と呼ばれているとか。
「・・・本人である貴方から言われるといささか萎縮してしまいますね・・・。
「それは何故?
「私は羽柴秀吉の軍師として召し抱えられ・・・彼の道を支えんがために智謀を尽くしましたが、
「なんと・・・病ですか?
「そうです。結局私は秀吉様の天下を見る事などできなかった。
「成程、貴方の心中よく分かりました。確かに貴方の申す通り、私は劉備様にお仕えしてから
「・・・ですが、貴方が思っているほど私も万能ではないのです。私など、ただ学んだ事を活かし
「・・・かの孔明殿が?
「私の時代というのは、正しく混沌の時代。知を有する将など限りある存在しかおらず、
「それは書物で拝見しております。・・・真の事なのですね。
「えぇ。私のような知しか取り柄のない者など、認めてもらえなくばいつ中原の露と消えるか。
「にわかには信じられませぬな、書物ではあれだけ劉備帝を試していた孔明殿がかような事を申されるなど・・・。
「若い頃は私も己の才覚に自惚れておりましてね。かの斉の丞相たる管仲殿の如しなどと
「孔明殿にもそのような頃がおありだったのですね。
「それに、貴方は軍師となってから一度たりとも策を外した事がないでしょう?
「・・・・・それは、なぜそうと言えるのでしょうか?
「一度貴方の軍制を見せてもらった事があるのですが・・・兵の動きといい
「人間誰しも、一度失敗すれば次に間違わない行動を考える。それは二度の失敗を犯さぬためである事と、
「つまり、私の兵統率にはそういった物が一切混じっていなかった・・・と?
「私はよく間違いなき策を行う天才である・・・と良く言われましたが、劉備殿亡き後、何度蜀を
「・・・なんと、そうなのですか。
「その一つの失敗を重ねるたびに、私は兵法の改善や軍制の見直しなどを計ってきました。
「その点、貴方が率いる将兵は最初から誰もが疑う事なく、型の通りに動いている。
「これは過去失敗した事のある人間にはできない動きです。もしくは己に相当な自信がなければできない事。
「・・・私は書物の中でしか孔明殿を見た事がなかった。ですが、今こうして話を聞くと・・・
「はは、それは大いに結構!例え後世で我々軍師が神の様に崇められようとも、所詮は我々も人なのですからな。
「うぅむ、これはますます貴方からいろんな話を聞いてみたくなった。次は何を話しましょうや?
「そうですな・・・しかし、これで貴方の固い心もほぐれましたかな?
「・・・そう言われてみれば・・・まさかとは思いますが、これも貴方の策の内なのですか?
「さて、どうですかな・・・。
リクエストに応じていただきありがとうございました!
二人の軍師の対談、良かったです🐘
>>> 楊狐さん
いつもコメントありがとうございます。
リクエストありがとうございました!過去と現在の軍師対談はなかなか面白く書けました。