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時代を超えた話を聞いてみよう-300いいね版-① 竹中半兵衛&諸葛亮

by
凡ゲーマー
凡ゲーマー
「本日はお招きいただき、感謝いたします。竹中半兵衛様・・・。
「いえ・・・このような世界であるからこその機会、身勝手ながら利用させていただいたまで。
「成程、それは貴方が軍師なればこそでしょう。私も遠き未来の話をお聞きしたかったので。
「そう言ってもらえるとは・・・光栄ですな。さて、立ち話もなんですから、どうぞこちらへ・・・。


「風の噂で聞いた所によれば、なんでも貴方は”今孔明”と呼ばれているとか。
「・・・本人である貴方から言われるといささか萎縮してしまいますね・・・。
 しかし、謙遜するようですが私は貴方のような存在には程遠く及ばぬと思っております。

「それは何故?
「私は羽柴秀吉の軍師として召し抱えられ・・・彼の道を支えんがために智謀を尽くしましたが、
 貴方のように劉備帝亡き後、蜀という国家を支え続けた訳でもない。
 さらに言えば超常的とまで言える策を張り巡らし、戦に勝ち続けてきたわけでもない・・・。
 まして私は彼に仕えてから僅か十数年余で世を去っているのです。

「なんと・・・病ですか?
「そうです。結局私は秀吉様の天下を見る事などできなかった。
 なのに後世の人々から”今孔明”などと言われるなど・・・

「成程、貴方の心中よく分かりました。確かに貴方の申す通り、私は劉備様にお仕えしてから
 あの方の王道を支え続け、蜀の成立と維持を担い続けました。

「・・・ですが、貴方が思っているほど私も万能ではないのです。私など、ただ学んだ事を活かし
 運も味方に付け軍師として認められただけの男に過ぎぬのですよ。

「・・・かの孔明殿が?
「私の時代というのは、正しく混沌の時代。知を有する将など限りある存在しかおらず、
 数と力によって戦の勝敗も、人の命も定まる時代でした。

「それは書物で拝見しております。・・・真の事なのですね。
「えぇ。私のような知しか取り柄のない者など、認めてもらえなくばいつ中原の露と消えるか。
 劉備様が三顧の礼をもって私の才を拾ってくれなければ、どうなっていたかは分かりませんよ。

「にわかには信じられませぬな、書物ではあれだけ劉備帝を試していた孔明殿がかような事を申されるなど・・・。
「若い頃は私も己の才覚に自惚れておりましてね。かの斉の丞相たる管仲殿の如しなどと
 徐庶に語っておったものです。徐庶はそれを認めてくれていましたが、腹の内では何を思って
 いたのやら。ハハハ・・・。

「孔明殿にもそのような頃がおありだったのですね。
「それに、貴方は軍師となってから一度たりとも策を外した事がないでしょう?
「・・・・・それは、なぜそうと言えるのでしょうか?
「一度貴方の軍制を見せてもらった事があるのですが・・・兵の動きといい
 陣の張り方といい、動きに一分の迷いも乱れもない。しかし、逆に言えば”隙がなさすぎる”のです。

「人間誰しも、一度失敗すれば次に間違わない行動を考える。それは二度の失敗を犯さぬためである事と、
 行った事の良い点・悪い点を次に活かすため。軍師ならば尚更でしょう。

「つまり、私の兵統率にはそういった物が一切混じっていなかった・・・と?
「私はよく間違いなき策を行う天才である・・・と良く言われましたが、劉備殿亡き後、何度蜀を
 拡げるための策を巡らせ、失敗した事か・・・。曹魏が強大だった、と言われるとそれまでなのですが、
 実際には味方に足を引っ張られた事や、敵の軍師に惑わされた事などもあったのですよ。

「・・・なんと、そうなのですか。
「その一つの失敗を重ねるたびに、私は兵法の改善や軍制の見直しなどを計ってきました。
 時には臨機応変に対応する必要もあったので、時には将兵が言う事を聞かぬ事もあったのですよ。

「その点、貴方が率いる将兵は最初から誰もが疑う事なく、型の通りに動いている。
 ですが、”上手く行き過ぎて”計略を変える事もない、ましてや相手が突出してきてもまるで慌てる様子もなく
 兵がまるで貴方に絶大なる信頼を持っているかのように動いている・・・。

「これは過去失敗した事のある人間にはできない動きです。もしくは己に相当な自信がなければできない事。
 私には・・・それができる貴方が羨ましく思えるのですがね。

「・・・私は書物の中でしか孔明殿を見た事がなかった。ですが、今こうして話を聞くと・・・
 不思議ですな。あんなに神々しかった貴方が今はただの人に見えてしまう。

「はは、それは大いに結構!例え後世で我々軍師が神の様に崇められようとも、所詮は我々も人なのですからな。
「うぅむ、これはますます貴方からいろんな話を聞いてみたくなった。次は何を話しましょうや?
「そうですな・・・しかし、これで貴方の固い心もほぐれましたかな?
「・・・そう言われてみれば・・・まさかとは思いますが、これも貴方の策の内なのですか?
「さて、どうですかな・・・。

END
作成日時:2024/03/12 18:02
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コメント( 2 )
楊狐
文士
文士
楊狐
3月13日 17時34分

リクエストに応じていただきありがとうございました!
二人の軍師の対談、良かったです🐘

凡ゲーマー
凡ゲーマー
凡ゲーマー
3月13日 20時18分

>>> 楊狐さん
いつもコメントありがとうございます。
リクエストありがとうございました!過去と現在の軍師対談はなかなか面白く書けました。

楊狐
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